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五味洋治のページです。主に韓国での北朝鮮関連報道を訳していますが、日本語で紹介されない記事を私の目でセレクトしています。私の執筆活動、経歴についても掲載しています。最近のお勧めは、北朝鮮の軍事関連報道です。日本のメディアが伝えていない細かなものまで拾っています。私がかつてここに書いた金正恩の性格分析は今も十分通用します。筆者へのご連絡はこちらをクリックしてください

2010年5月17日月曜日

天安艦沈没 問題中間まとめ


哨戒艦の沈没事故が、この先の朝鮮半島情勢を左右しそうな雲行きだ。
慎重に各紙を読み比べているが、昨日、朝日新聞が一面に掲載した報道を分析してみる。


【ソウル=牧野愛博】3月末に起きた韓国哨戒艦の沈没をめぐり、国際軍民合同調査団は「魚雷による沈没との結論を出し、20日に最終報告書を発表する。韓国政府当局者らが明らかにした。北朝鮮が関与したかどうかは明記されない見通しだ。李明博(イ・ミョンバク)大統領は報告書を受け、数日後に談話を発表する。韓国政府は北朝鮮による攻撃との見方を強めているが、談話で「北の関与」を明言するかどうかは慎重に判断する


ポイントは三つあり、最初は魚雷攻撃、二つは国際調査団は、北の関与を明言しない。最後は、その後出される李大統領の談話では慎重に判断する、とある。


以下は韓国紙が今日報じた内容。






韓国紙、魚雷攻撃は北朝鮮と結論 沈没艦調査、20日発表へ

 【ソウル共同】17日付の韓国紙、朝鮮日報は、韓国軍と民間専門家の合同調査団が韓国海軍哨戒艦の沈没原因について、魚雷攻撃を受けたためであり、攻撃国は「北(北朝鮮)以外にあり得ない」との結論を出したと報じた。韓国政府筋の話という。
同日付の中央日報も韓国政府高官の話として、20日をめどに予定される合同調査団の調査結果発表に、攻撃国が北朝鮮だとの文言が含まれる可能性が大きいと伝えた。聯合ニュースは17日、調査結果の発表後、韓国政府が国連安全保障理事会に書簡を送る方針だと報じた。
朝鮮日報によると、これまでの調査で、魚雷が北朝鮮製である確実な物証は見つかっていないが、船体の切断部周辺などから検出された火薬やアルミニウムの破片を分析した結果、北朝鮮を含む旧共産圏諸国で使われているものと成分が同じである可能性が大きい。
さらに当時の北朝鮮の潜水艦の動きなど状況証拠を含めて総合的に判断して結論を出した。合同調査団に参加している米海軍の専門家らも、現時点の調査内容だけで、北朝鮮の攻撃であることが「確認された」とみているという。



魚雷攻撃は確か。北朝鮮の関与も確実で、北朝鮮を名指しする可能性が高いということだ。
同じ時期にクリントン国務長官が訪韓する予定になっており、事態は北朝鮮犯人説で固まりつつあるのかもしれない。


朝日新聞の「魚雷攻撃」は一見すると独自ダネのようだが、すでに韓国紙は再三書いている。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100506/kor1005060904001-n1.htm
北朝鮮の魚雷攻撃と米韓が判断 哨戒艦沈没で韓国紙報道





すると、一面で冒頭の記事を報道した朝日新聞の価値判断は、「北朝鮮の関与に関する記述が見送られる」という部分だったはずだが、自信がなかったらしく、「見通しだ」と逃げ、見出しも「魚雷攻撃」になっていた。

朝日新聞は17日朝刊で、事実上報道を修正している。


調査団だけではなく、日本ではこの海域について北朝鮮が再三挑発していたことをあげ、状況証拠として北朝鮮の犯行とする見方が強い。
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20100516-630452.html


一方で、米軍により攻撃されたのではないかとの見方もくすぶっている。
http://tanakanews.com/100507korea.htm


韓国紙もこの見方があることを報道している。



天安艦,韓・米合同訓練中誤爆事故(思考)'疑惑'

入力:2010.03.29 16:09 朝鮮日報

軍当局が哨戒艦天安艦沈没事件に対する事故原因を明確に明らかにすることができなくて気がかりなことを増幅させているなかで事故(思考)当時西海上では米イージス艦と共に'2010韓米合同鷲訓練'を実施中だったことで(が)明らかになった。

これに伴い新しくあらわれた事実で海軍哨戒艦の天安(チョンアン)艦沈没原因に対して韓米合同訓練中に発生した'誤爆'事故疑惑が提起されている。

特に海軍当局は今回の天安艦沈没事件が韓米合同鷲訓練期間に発生したという事実を初めから公開的に明らかにしなかった。

これで韓米間艦砲射撃作戦訓練過程で発生した各種自らの事故の可能性も排除できない状況でややこのような事実が明らかになる場合韓米間軍事的葛藤を憂慮して,何か隠そうとするという世間の疑惑が事実の有無とあらわれる場合今後大きい波紋(波長)が予想される。

韓米海軍は天安沈没事故期間の間の去る23日から27日まで事故地点のペクリョン島近隣西海上で米国イージス艦Lassen(9155トン),Curtis Wilbur(8950トン) 2隻と韓国イージス艦世宗大王,最新鋭戦闘艦の崔瑩,ユン・ヨンハなど2艦隊配属艦艇が集まって,合同訓練中であったことで(が)明らかになった。

29日京畿日報が入手した海軍2艦隊作成の'西海上韓.米海軍連合訓練'資料によれば米軍イージス艦は今回の韓米合同訓練のために去る19日京畿平沢海軍2艦隊基地に入港,
韓米軍将兵らと交流活動を持った後,去る23日西海上訓練に突入したことが明らかになった。

今回の韓米合同訓練では米イージス艦乗務補助員海兵隊員624人を初め私たちの海軍2艦隊所属兵力などが参加して,対艦,大公使格,海洋遮断作戦など多様な海上訓練を実施した後米海兵隊は当初去る28日検討会を終えて出港する計画だった。

この計画のとおりならば,天安艦沈没事故が発生した去る26日午後9時45分強力な爆発音と共にあっという間に船体が二真っ二つになった後,沈没したと明らかにした天安の崔ウォンイル艦長の証言に続き事故(思考)当時約20余分間強力な艦砲射撃声を聞いたというペクリョン島住民たちの証言を総合してみる時,韓米間合同訓練作戦上発生した誤爆ではないかという強い疑惑が出てきている。

このような事実に後押しする軍の釈明も不透明で,疑惑の火種はより一層増幅されている。

これは合同参謀は去る27日ブリーフィングを通して"哨戒艦束草レーダー上に物体が捉えられて,76mm艦砲で警告射撃をしたがレーダー上に捉えられた形状で鳥の群れと推定される"として"正確な内容は確認中"と説明するなど釈明発表が一進一退しているためだ。

合同参謀関係者はまた”艦砲関連,位置,発射見解など一切を知らせないようにした"としながら調査結果が最終決定された時,発表すること"と明らかにしたことがあって政界もまた"各種疑惑が後が絶たないと事故原因に強い疑惑を提起しているけれど軍は明確な釈明を出すことができないためだ。

韓米連合司令部側は"天安は警戒任務をしていた。直接訓練に参加したのではない"と釈明した。

また米海軍側艦艇が作戦半径近所にあったかという質問には"ペクリョン島近所でしなくて韓半島全域でした"とだけ答えた。

連合司令部側は米海軍のイージズ2隻が参加した事実は確認しながらも"鷲訓練の一部で4月30日まで予定されたこと"と明らかにした。

連合司令部側は今回の天安沈没事故との関連性を尋ねた質問には"上官ある,ないことを話せる状況ではない"と話した。

浅瀬座礁説もある

http://blogs.yahoo.co.jp/lifeartinstitute/41375151.html

ただし、この見方は韓国国内では否定されている。

私の感では、合同調査団の発表は、韓国紙の報道のように「北朝鮮しかない」と控えめに判断し、大統領は、安保体制の強化を約束するのではないか。国連に持ち込むのは難しいと思われる。

問題は、素早く結論が出せなかったおとに尽きる。

そうしないと韓国の世論は収まらないし、六月の統一地方選挙で与党が攻撃される。
有権者の四割がこの問題が争点だと感じている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010051402000055.html

たとえ、どんな発表が出ても中国は、「断定ではない」として関与を避ける。そうすれば韓国もじょじょに世論は下火になるーこんな展開ではないか。



もし小規模の紛争になればどうなるか。
可能性としては海の戦争。これは過去に例があり、圧倒的に韓国有利。
ただ北朝鮮は、DMZに多数のミサイルを配置しており、ソウルはミサイル攻撃を受ける可能性も出てくる。


北は、数時間、連合軍司令部の防御に対して1時間当たり500,000発を維持できる。
http://chorea.hp.infoseek.co.jp/usa/oplan5027/index.htm


いずれにせよ、韓国政府内では激しい葛藤が起きたことだろう。

北朝鮮問題は単なる国防問題ではなく、深刻な政治問題に発展する韓国の実情を反映したといえる。


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