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五味洋治のページです。主に韓国での北朝鮮関連報道を訳していますが、日本語で紹介されない記事を私の目でセレクトしています。私の執筆活動、経歴についても掲載しています。最近のお勧めは、北朝鮮の軍事関連報道です。日本のメディアが伝えていない細かなものまで拾っています。私がかつてここに書いた金正恩の性格分析は今も十分通用します。筆者へのご連絡はこちらをクリックしてください

2010年7月9日金曜日

黄元秘書暗殺未遂事件の疑問点

 

黄ジャンヨプ前労働党秘書の暗殺を謀った、北朝鮮のスパイ二人が拘束され、懲役10年を宣告された。

詳しい判決文をネットで探したがないので、比較的よくまとまっているブログの文章を翻訳してみた。

少し文体が話し言葉と書き言葉が混じっているが、そのままにした。

印象的なのは 1)通っていた学校の記憶があいまいで、身分がばれるきっかけとなった 2)脱北者が韓国に入国するとおしりの穴までチェックされる。3)暗号を使って話をしていた 4)スパイは韓国ドラマを見て教育される 5)2人のスパイのうち、1人は今回が初めての仕事だった 6)韓国内にある北スパイ網は特に協力していなかったーなどの点である。

韓国ドラマのアイリスのように、派手な銃撃戦もないし、いたって地味。準備不足が目立つ。これが北のスパイの現実ってことか。

出所 http://ejung.blog.seoul.co.kr/175?srchid=BR1http://ejung.blog.seoul.co.kr/175

黄長燁氏暗殺失敗した‘スパイ’が残した疑問点
捜査/注目!
この事件2010/06/07 08:30
検察が黄長燁前北朝鮮労働党秘書を暗殺しろとの指令を受けて入国した北朝鮮工作員を起訴しました。
去る4月彼らが拘束された以後報道機関とインターネットで色々な疑問点が提起されましたが。
検察は捜査結果を発表しながら,言論などが提起した疑問点を直接質問と答弁形式で次の通り明らかにしました。

疑問点1?南へ派遣(南派)準備状況が粗末にしていないのではないか。
検察は”身分偽装だけで6ケ月,全てあわせると2年準備した。
トン氏などは身分がばれて,自殺を試みたりもしたそうです。
幸い毒薬はなかったです。
北脱出者の場合入国する時,肛門まで検査する。


疑問点2?黄長燁の親戚と偽装していたが、むしろ注目されるのではないか。
トン氏は逮捕されたファン・ミョンヒョクが黄長燁氏の9等身のいとこだと主張しようとしたといいます。
黄長燁氏の親戚が北朝鮮に相当多くて,恐らく,黄長燁氏が記憶できないことだと察しました。
実際に黄長燁氏の8等身までは北朝鮮で粛清されたし,残りは生存したことで国家情報院は把握しています。
黄氏の親戚で偽装すれば身分が露出する危険性が高いが黄氏に寄りつきやすいという複合的な計算がありました。
トン氏はまず‘北脱出同志会’に加入して,黄長燁氏に近づこうとしたと話しました。
黄長燁氏が同志会にしばしば参加して,他の北脱出者と虚心坦懐に話を交わすという情報を入手したためです。
もし国家情報院で北脱出理由を尋ねてみれば”お父さんが黄長燁の親戚という理由で北朝鮮で出世しにくいから韓国に逃げろと薦められた."と説明しようと準備したといいますね。

疑問点3?国内スパイ網と接線したか。
捜査当局は国内スパイ網は確認できませんでした。
北朝鮮工作員が韓国に定着する時まで、韓国内スパイ網は徹底的に保安するという北朝鮮偵察局の原則のためです。
国内に無事に到着すれば中国連絡責任者と連絡する携帯電話番号を受けたのに国家情報院が確認してみると発信・受信目録がない‘清潔な電話’でした。
携帯電話連絡が難しければEメールで連絡をやり取りしたするはずだが。
Eメール開設国は韓国,米国でない第三国といいます。(意味不明ー筆者)

疑問点4?暗号名があったと。
黄長燁氏を‘商品’,国家情報院を‘病院’と呼んでいた。
国家情報院の北脱出者合同調査が終わるのを‘退院’と表現しました。
中国を‘姉の家’韓国を‘小さい家’。在中国の連絡責任者を‘叔父’検挙を‘入院’黄長燁氏の情報や所在を入手したのを‘商品を購入した。’黄長燁氏殺害命令は‘商品を送り返す’という暗号を使うよう約束していた。


疑問点5?中国でなく、はるばる東南アジアを経由した理由は。
中国から韓国にこようとするなら韓国大使館に進入するべきなのに中国公安当局の警戒がものものしくて失敗する危険が高いと金氏などは判断しました。


東南アジアは移民国保護所で待機すれば韓国入国が一層易しいから北脱出者ブローカーを通して,タイを経由したとのことですね。
疑問点6?北脱出者が第三国を経て,入国しようとするなら1年がかかるのに。2人のスパイは数ヶ月で韓国に来ているが。

検察は事実ではないと反論しました。
状況によって,待機期間が多少増えたり減るが,通常的に1,2ヶ月ならばたいてい韓国で入国すると明らかにしました。
金氏などは任務を成しとげれば第三国の北朝鮮大使館を通って帰国しようとしました。

疑問点7?韓国にどのように定着しようとしたか。
色々な教育を受けましたが。
イ・ボヨン氏の英語教材も習得したし,韓国の政治,経済,社会,文化の便りもメディアを通して接しました。
特にドラマを見ながら‘南(韓国)化教育’を受けましたが。
94年‘愛はブルー’ 98年‘風の歌’ ‘野望の伝説’等を視聴したといいます。
韓国で生計を維持しようとあんま師,自動車修理なども習いました。
北脱出者らが教育施設の‘ハナ院’を出所すれば韓国政府が定着金と賃貸住宅を与えるのにその程度ならば韓国で定着することができると判断しました。
ドルなど現金もちょっと保有していました。


疑問点8?哨戒艦「天安」事件を知っていたか。
哨戒艦「天安」事件に対してはマスコミの報道を見て分かったし,その事件経緯は具体的に知らないといいました。
哨戒艦「天安」事件が起きる前の今年1月,2月に入国したので当然だと検察は説明します。
ただし(哨戒艦を沈めた魚雷に書かれていたハングルの)‘1度’に対しては金氏は”当然(北朝鮮でも)使う."と,トン氏は”試験問題を出す時,1度,2度というだろう,1号,2号とは言わないだろう"と反問したといいます。

疑問点9?北朝鮮の世襲体制に対する評価は。
金日成,金正日に続きキム・ジョンウン氏が後継者で指定されて,北朝鮮政権が‘3代目世襲’ということが変なのではないかという質問には“それを変だと思うのが変だ。”としながら”人民の意志だ”と一蹴しました。

疑問点10?黄長燁氏暗殺工作員はさらにいるか。
検察はまた黄長燁氏を殺害しろとの命令を受けて侵入した,あるいは侵入しようと準備する北朝鮮工作員がもっといる可能性があると見ると明らかにしました。


疑問点11?韓国に対してどれくらい知っているか。
彼らは韓国が経済的に良く暮らすというのを知っているが,これは米国の力だと考えます。
それで北朝鮮の主な敵を米国だと話します。
韓国はむしろ,その次にでしょう。
北朝鮮が生きられないのも米国のためで,韓国が上手にするのも米国のためという信頼が確かです。
それでも残った気がかりなこと
黄長燁氏を暗殺しようとしていた北朝鮮工作員に対して検察が詳しく捜査結果ブリーフィングをしたが,依然として残った気がかりなことがあります。
‘黄長燁暗殺’という重要な指令を‘初歩’工作員に与えたという点です。
金氏とトン氏は工作員訓練を6年間受けたが,ミッションは今回が初めてです。
初心者らしく初めての関門の国家情報院の北脱出者尋問過程で捕えられましたし。

次ににせ物身分がばれた過程です。
通ったと主張した人民学校の校長先生の印象と着衣を尋ねたのに正しく返事できなくて疑いを持ったというんですが。
人民学校ならば,私たちの中学校程度なのにその時校長先生の顔を記憶する人がいましょうか?

担任先生の名前はもちろん着衣も私は全く記憶することができないですね。

2人の捜査と起訴はソウル中央地検公安1部(部長イ・ジンハン)が引き受けた。
ソウル中央地検が出した報道資料によれば金氏と,トン氏は1992年北朝鮮人民武力部傘下偵察局(現偵察総局)戦闘員で選抜,訓練を受けて1998年5月朝鮮労働党に加入したし,2004年4月偵察局工作員に任命された。
2007年から金氏は‘金ミョンサム’という人で偽装しろとの指示を受けた。
身分証を偽造して金ミョンサムの出生地,出身学校,家族,交友関係勤務形態などを記憶した。
トン氏は‘金ミョンヒョク’で偽装しろとの指示により金ミョンヒョクの身上資料を200個余り質問項目で整理して,2年間訓練を受けた。
2009年初め偵察局はトン氏に黄長燁氏の親戚として身分を偽れとの指示を新しく受けた。


初めには‘ファン・ヨンミョン’という黄氏の親族に変えろと指示されたが、ファン・ヨンミョン氏が元々、軍事機密が多い地域で勤めた経歴があるところに南へ派遣(南派)されてわずか一ヶ月で、新しい人に身分を変えるのが難しくて,結局,金ミョンヒョクの性をファンに変えた‘ファン・ミョンヒョク’と偽装した。


2009年11月金氏とトン氏は偵察総局長金ヨンチョル氏に会った。
“黄は最近,首脳部と体制を非難する発言が行き過ぎる."”民族の反逆者黄長燁を処断しなさい."と、金氏が黄長燁殺害指令を下したという。

黄長燁氏に対する北朝鮮偵察総局の基本方針は‘自然死するように放っておいてはいけない。’である。


トン氏は“任せてくれればやり遂げます”と答えた。


北朝鮮工作員で金氏などが受けた初めての任務が黄長燁暗殺だった。
北脱出者を装って,韓国に侵入,黄長燁氏の所在を把握して,殺害しようとしていた彼らの計画が失敗に終わったことは国家情報院合同尋問過程からだ。

金氏が通ったと主張した人民学校の同期生に脱北者がいた。学校現況と校長先生印象着衣などを尋ねたところ金氏が正しく答弁できなかった。


トン氏も同郷出身である北脱出者との対面質問を受けて、スキを見せた。
捜査当局はまた嘘探知機も動員し、その過程で‘嘘反応’が出てきた。

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