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2010年8月10日火曜日

中国の懸念

6月21日の日経に慶応大学準教授の寄稿が掲載されていた。中朝関係に関する寄稿は珍しいので要約を掲載しておきます。

http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=329372&log=20100621

ここからの採録ですが、一部手直ししています。

 

21日朝刊21面【経済教室】神保謙 慶応義塾大学准教授
 韓国海軍の哨戒艦沈没事件は、北東アジア/の安全保障の均衡を揺るがしかねない危険性を持っている。

国連安全保障理事会では「天安」を沈没させた北朝鮮の軍事攻撃に対する共同行動の成否が問われだがが、中国・ロシアの慎重論により厳しい制裁決議は回避され、事件の責任所在さえ合意できない状況で、結局非難の対象を特定しない議長声明に終わった。

そもそも米韓同盟の存在にもかかわらず、なぜ北朝鮮の韓国に対する攻撃は抑止されず、なぜ国連安保理は毅然と北朝鮮に対する制裁決議に踏み込めないのか。こうした状況は、今日の北東アジアの安全保障において、同盟と多国間枠組みに「二重の脆弱性」が生じていることを意味している。

韓国では今回の事件を「朝鮮戦争休戦以来の最も深刻な軍事的攻撃」、「韓国にとっての9.11であり、断固とした対応に値する」と位置づけている。


核やミサイルという北朝鮮が対米交渉のため繰返してきた過去の実験と異なり、韓米同盟によって封じ込めてきたはずの通常兵器による実際の攻撃が実行された点において、韓国の国防に深刻な脆弱性があることが判明したからだと言うことです。

そして何よりも、中国が「北朝鮮を追いつめて暴発・崩壊させてはならない」という不安定化リスクを嫌がっているため、効果的な制裁が行えないという脆弱性に北朝鮮がつけ込んでいるのです。

神保氏によれば、中国の「避けるべきシナリオ」とは以下の4点です。
1.北朝鮮の暴発的行動によって日米韓との軍事衝突に発展すること
2.多数の難民が中朝国境を越えて押し寄せること
3.北朝鮮の崩壊プロセスにおいて米軍・韓国軍が北緯38度線を越えて駐留し、中朝国境で中国軍と対峙する可能性があること
4.6者協議を中心とする多国間協議メカニズムが破綻し、朝鮮半島への外交的影響力が著しく低下すること

中国が懸念するこれら4点を取り除くには、コラムでは次のような3つの提案をしています。


(1)日米中韓4カ国の国防当局による北朝鮮不安定化時の共同計画
(2)日中韓3カ国による難民発生の際の国境管理に関する計画
(3)米中韓3カ国による北朝鮮の体制不安定化の際の治安維持、核兵器の管理、統治メカニズムに関するスキーム作りを並行して実施する

中国は、他国と北朝鮮管理で歩調を合わせることはないというのが私の見方なので、すこし神保さんとは違いますが、こうできれば一番です。

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