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2010年8月31日火曜日

米国政府が対北朝鮮政策で迷い ニューヨークタイムズ

圧力だけでは動かないということは、6カ国協議にも応じるという流れなのかもしれない。

中国は国連を通じた制裁以外には応じない姿勢だが、米国の金融制裁は狙いが定まっており、豊かな内部情報に基づいていると思われ、効果はあるだろう。

 ニューヨークタイムズ(電子版)は27日、クリントン米国務長官が招集した対朝鮮政策評価会議に出席した国務省幹部や外交専門家たちの言葉を引用しながら、米国が今後、断固とした態度をとりつつ朝鮮に関与(engagement)または介入、包容する「新しい試み」にも重きをおき始めたと伝えた。

 特に、米国が金正日国防委員長とどのような形式であれ接触を再開しなくてはならないという点について強硬派たちが同意を示したと報じた。一方、クリントン長官は、「天安」艦事件をめぐる厳格な経済制裁と米「韓」合同軍事演習等の現在の対朝鮮強硬政策について「圧力だけでは朝鮮を動かすのに十分ではない」という結論を下したと伝えた。

 同紙によると、会議ではスティーブン・ボスワース対朝鮮政策特別代表が新しい試みを主張したほか、クリントン政権時代に国務省朝鮮担当官を歴任したジョエル・ウィット氏が「問題は我々が今、何をすべきかである。その答えは関係を再開することであり、(米国の)道具箱にはそれ以外の道具はない」と述べた。しかし現政府の国家安全保障会議(NSC)アジア担当補佐官ジェフリー・ベーダー氏は「我々は既存の方式を変えたくはない、過去の経験を繰り返さないことを望む」等と慎重な姿勢を崩さなかったという。

 同紙によると、米政府関係者の中には米国は圧力戦術を放棄しないであろうし、それを強化する可能性もあるという意見があるが、タカ派の専門家までもが、オバマ政権の対朝鮮政策を批判し、対話がなければ戦争の危険性が高まることを憂慮しながら、米国の制裁で朝鮮が核プログラムと対南敵対行為を放棄したことは殆どないと主張したという。また、当局者の中には、金正日委員長の健康悪化説と後継問題等がある状況で、朝鮮での政治的変化が起こるまで米国が待てると主張する者がいる反面、朝鮮との対立が深刻化すれば、接触の機会が少なくなると主張する者もいるという。

 さらに同紙は、オバマ政権が朝鮮に対する新しいアプローチを探る上で6者会談が有益であるという意見があるが、問題は会談の早期再開に反対する南朝鮮と日本を説得することであり、朝鮮が核武器の解体に同意するまで交渉しないというオバマ政府の非妥協的な態度であると指摘した。

11月の中間選挙まで焦りを見せながらも圧力一辺倒の対朝鮮政策を取らざるを得ないオバマ政権が、右往左往する政府内の意見をまとめあげ、選挙後に「対話路線」へと舵を切れるのか、今後の動向が注目される。(了)

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