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2011年4月19日火曜日

大豊国際投資グループの実像 ③ 実績なし 第2の楊斌か  終わり

●グループの体制
 大豊グループの役員構成は理事長は金養建党秘書、統一戦線部長、総裁は朴哲洙(中国朝鮮族)であり、理事会は国防委、内閣、財政省、労働党関係部署、朝鮮アジア太平洋平和委員会、朝鮮大豊国際投資グループ代表など7人で構成されている。
大豊グループの朴哲洙総裁は昨年"10年内に最大4000億ドル(480兆ウォン)に達する外資誘致を目標にしている"と明らかにしたがまだ正確な実績は公開されないままだ。

●国家開発銀行
 2010年1月に開かれた朝鮮大豊国際投資グループ理事会第1次会議では、北朝鮮国防委員会傘下に「国家開発銀行」と「朝鮮大豊国際投資グループ調停委員会」を設立することを決めた。

 国家開発銀行は国際金融機構、国際商業銀行と取り引きをできる現代的金融規範と体系を整え、国家政策に従う重要対象に対する投資業務を遂行する資金取り引きの保証と、資金調達を目的に運営される銀行だという。

 大豊グループが北朝鮮は、対外経済協力機関として国家開発銀行に対する投資誘致と資金を保証する、経済連合体役割を受け持っている。

 また北朝鮮は2010年7月に北朝鮮の投資誘致を指導、管理する国家的中央指導機関の「合弁投資委員会」を設立して、外資誘致と合弁、合作など外国と関連したすべての事業を担当している。

●米の制裁

 国連安保理は対北朝鮮決議1718号(06年の最初の核実験)と1874号(昨年の2度目の核実験)によって、北朝鮮の活動を厳しくチェックしている。

 安保理決議による対北朝鮮制裁対象は8機関と5人。これには▽朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)▽端川(ダンチョン)商業銀行▽朝鮮リョンボン総合会社(KRGC)とユン・ホジン南川江貿易会社幹部▽イ・ジェソン原子力総局長--などが含まれている。

 これとは別に、米国行政命令13382号に基づく制裁リストには8団体のほか、朝鮮国際化学合営会社など22団体とキム・ドンミョン端川商業銀行長が入っている。

 欧州連合(EU)が1月に対北朝鮮制裁レベルで旅行禁止対象に定めた北朝鮮最高位人物13人は、北朝鮮権力の核心である国防委員会のメンバーを狙ったのが特徴だ。金正日委員長の妹婿の張成沢国防委副委員長と呉克烈国防委副委員長、全炳浩軍需工業部長らがヨーロッパ旅行禁止の対象だ。

●●監視

 大豊グループも国際社会からの集中的な監視を受けてきた。

 たとえば、バージン アイルランド金融当局は昨年9月、大豊グループが領域内銀行で不法武器取り引き資金などを洗濯しているという疑惑が出てきて、直ちに調査に着手した。

 このような制約の中、大豊グループは昨年12月、中国商務部と羅先市経済特区開発了解覚書(MOU)を締結した。ただしグループは表に出ず、「合弁投資委員会」が中国側のカウンターパートとなった。




●二つの島
 北朝鮮は自由貿易区として威化島と黄金坪島を提案。2010年末、中国商務部と黄金坪と威化島での合作開発のための了解覚書(MOU)を締結した。

 2島はいずれも中朝国境を分ける鴨緑江の下流に浮かぶ中州。遼寧省丹東市と接している。

 威化島は12.2平方キロメートルを占める鴨緑江最大の島。高麗の遼東討伐軍を率いた李成桂が1388年、遠征途中に威化島から軍を引き返した「威化島回軍」で有名な場所で、韓国からの観光客が多い。

 黄金坪島は11.45平方で威化島の次に規模が大きい。土地が肥沃で、新義州の代表的穀倉地帯と指折り数えられている。丹東とは陸続きで鉄条網で仕切られている。

●経済特区特別法制定も

 北朝鮮は鴨緑江河口の黄金坪を経済特区で開発するために特別法を用意した。4月中にも発表される見通しだという。
特区法は2000年11月発表された開城工業地区法と似た内容で、中国側事業者と一緒に土地を開発して、外国投資家に賃貸しようとする計画だとされる。

 新義州の2島での自由貿易区構想が浮上したのは、09年1月23日、訪朝した中国共産党の王家瑞対外連絡部長に金正日総書記が打診したのが最初とされる。

 北朝鮮側は2010年10月に入り、「50年間の租借期間が短いならば80年、100年にしても良い」と中国側に再打診したという。2012年の強盛大国入りを前に、なんとかめどをつけて置きたかったようだ。

●2島開発で批判
 東北部の羅先特別市のと違う点は、中国の租借年数を提案当初の50年から100年に延ばし、中国在住の外国人に対してビザ(査証)を免除していることだ。

 また、2つの島に居住できる住民の比率も中国人は50%まで可能だが、北朝鮮住民は20%となっており中国側に有利になっている。「事実上中国領土と同じように契約された」との批判もあるという。

 これは北朝鮮側担当者の経験不足が原因で、北朝鮮では担当者の処罰を求める声もあるという。

●実績なし
 また外貨誘致について大豊国際投資グループは昨年から1件も実績をあげていない。朴哲洙・朝鮮大豊国際投資グループ総裁が、北朝鮮当局と摩擦を起こしているとの見方も出ている。

 韓国の聯合ニュースは1対北朝鮮消息筋を引用し、“大豊グループの投資誘致実績が低調なうえ、朴総裁に虚言癖があり激しい人物という評価が北朝鮮内で提起されている。これに対抗して、朴総裁は北朝鮮の計画経済システムを問題にして、北朝鮮当局が朴総裁を監視している”と報道した。

●ライバル
 一方、大豊グループに対抗しているとされる「朝鮮国際商会」は大豊グループより実績をあげている。この公社は、実力者の呉克烈国防委員会副委員長が主導し、軍部の支援を受けており、今後、海外からの融資引き込みを巡り、激しいさや当てが始まる可能性がある。また、朴総裁は、新義州の開発をめぐり身柄を中国に拘束された、オランダ国籍の事業家、楊斌と同じ運命をたどるとの見方もでている。

参考 中央日報 聯合ニュース、朝鮮日報など
http://unkar.org/r/news4plus/1278328562

1 件のコメント:

  1.  左上の窓にメルアドを入れると、新着記事が届くそうです。試しに設置してみました。

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