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五味洋治のページです。主に韓国での北朝鮮関連報道を訳していますが、日本語で紹介されない記事を私の目でセレクトしています。私の執筆活動、経歴についても掲載しています。最近のお勧めは、北朝鮮の軍事関連報道です。日本のメディアが伝えていない細かなものまで拾っています。私がかつてここに書いた金正恩の性格分析は今も十分通用します。筆者へのご連絡はこちらをクリックしてください。コメントは実名以外受け付けません。

2011年5月21日土曜日

金総書記 訪中の狙い

 

筆者作成の図です。

キャプチャ1

 金総書記の過去1年で3回の中国訪問が進行中である。どうやら朝、牡丹江を出発して別の場所に向かっているようだ。

韓国の新聞の見出しを見ていると、訪中目的を大きく5つあげている。

1.中朝関係の強化
2.食糧難打開のための支援要請
3.中朝経済協力推進
4.後継作業を進める
5.核問題の進展図る

1は最も一般的で、包括的な内容。だんだん具体的、特別な内容になっている。3ではないかという見方が強いようだ。私個人としては1.2.3が目的であり、4.5は考えていないと見ている。

逆に、正恩が同行していないのなら、自分の健康アピールをしたいのではないか。義弟の張成沢が同行しているのなら、金総書記と張の間は、一応問題がないと思われる。最近両者の間で摩擦が起きているとの見方もあった。

まだ訳されていないようなので、よくまとまっている朝鮮日報の解説を掲載する。

金正日訪中 経済官僚大挙連れて…中国援助、それだけ苦しい


●金正日、金日成大出身の張徳江副総理の案内受ける
●物資切実-全世界に食糧要請したが韓国の哨戒艦天安号後に、対北朝鮮支援急が途切れてしまい、昨年8月とはコースの長春・吉林開発地域などを訪問。この間ばら撒いた経済協力種今回刈り取るという意味

●胡錦涛また会うか-昨年と別に北京まで行って中国指導部いつも可能性

金正日国防委員長が20日、9ヶ月ぶりにまた訪中したことは北朝鮮の政治・経済的孤立がますます悪化する状況で支える所が中国だけという判断に従ったと見られる。

"中国という太い綱を握って危機を抜け出してみようとする必死のあがき"(政府当局者)という分析だ。

金正日は執権以後7回訪中したのに昨年天安艦事件以後だけでも3回も中国を訪れた。

◆経済的に追い詰められたた金正日
昨年韓国の哨戒艦天安号・延坪島挑発のために韓・米の対北朝鮮支援は完全に切れた。

今年の初め全世界に食糧をもの乞いしたがこれといった収穫がなかった。

しかし金正恩後継を定着させようとするなら米と物資が必ず必要だ。

来年4月強盛大国元年宣言のためにも今年をうまく越さなければならない。

金正日が1年間3回も直接中国に走って行ったことは"それだけ差し迫っているという証拠"(チョヨンギ高麗大教授)と見られる。

北朝鮮は昨年から中国との経済協力を強化している。
2009年26億8100万ドルであった大中交易額は昨年34億6600万ドルで約30%増加した。

ナム・ジュホン京畿大教授は"今回の訪中で昨年8月ばら撒いた経済協力の種を刈り取ろうとすると見る"とした。

金正日が図們を通して、訪中したことは中国が推進中の'窓である、長吉図(長春~吉林~図們をつなぐ地域)開発計画'と関連あるという分析が出てくる。

ハンキボン前国家情報院3次長(北朝鮮担当)は"金正日が窓であって開発に直接関心を見せることによって北・中経済協力を強化しようとすること"と分析。"中国との経済協力に速度を付けて、私たちに対北朝鮮制裁緩和を圧迫しようとする意図も伺える"と話した。

金正日の今回の訪中は、(艦事件以後、南北間の交流と交易を事実上全面遮断した。北朝鮮は年間3億ドルの被害を被ったと韓国政府は説明している)http://contents.innolife.net/news/list.php?ac_id=1&ai_id=131709

5・24措置1年を4日残した時点になされた。

北朝鮮と中国は今月下旬、鴨緑江下流の'黄金坪'開発および豆満江下流の中国、琿春~北朝鮮、羅先市を連結する舗装道路着工式などを行うと発表された。

また、金総書記が金日成遺跡地が集まっている東北3省をまた尋ねたことは"金日成の後光を利用して、内部結束を固めようとする意図"(朴ビョングァン国家安保戦略研究所研究委員)と見られる。

◆胡錦涛主席とまた会うか?
金正日は昨年8月長春で胡錦涛主席と首脳会談をした。
情報消息筋は"昨年8月と違い、今回は金正日が北京まで行って胡錦涛や温家宝総理、次期指導者の習近平副主席に会う可能性がある"とした。

チ・ジェリョン駐中北朝鮮大使は最近習副主席など中国最高位層をあまねく会って、首脳会談を調整した。

胡主席は昨年8月の長春首脳会談の時"政府主導、企業中心、市場メカニズムを基本で経済協力を発展させよう"としていた。

当時金正日は食糧50万tと最新鋭戦闘機などの支援を要請して拒絶されたという観測がある。

金フンギュ誠信女子大教授は"金正日は北・中首脳会談を通して、どんな圧力と孤立にも'中国が背後にある' '生き残れる'というメッセージを送りたいこと"と話した。

◆金日成大出身中国副総理が案内
金正日を図們で迎えた張徳江国務院副総理は金日成大経済学部(1978~1980年)出身でハングルが流ちょうだ。

安保部署当局者は"張副総理が平壌で交流した北朝鮮人ら相当数が現在金正恩後継構築作業で核心的役割を受け持っている"とした。

彼は1995年から吉林・浙江・広東など3省書記を順に過ごした後、2008年3月からエネルギー・交通・産業担当副総理を受け持っている。

対北朝鮮消息筋は"彼は去る3月党政治局拡大会議で金正恩体制安定化のために中国が少なくとも5年間支援しなければと主張した"と伝えた。

長吉図開発は、具体的なイメージがわかないが、

 長吉図計画 中国政府が昨年8月に国家プロジェクトへの昇格を決めた地
域経済開発計画で、長春市、吉林市、図們市の頭文字を取って命名されたもの。
3市をつなぐ東西に伸びるベルト状の地域をひとくくりにし、沿岸地方などに比
べ遅れる経済の活性化を促すのが狙い。

中国側は以下のように説明している。

長吉図開発開放先導区には4つの意味がある。吉林省対外開放の先導区、図們江地域共同開発の先行区、全省発展の先導区、北東アジア地域協力の中心区の4つである」と、吉林省の韓長賦省長は話す。

http://www.peoplechina.com.cn/xinwen/txt/2009-11/20/content_230581.htm

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