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2011年6月1日水曜日

◎「『2012年』見据えた戦略調整 金正日総書記の中国訪問」


                                   (「朝鮮新報平壌支局版」5月28日付記事から)
この記事はかなりな長文です。半分だけ引用します。

中国側が待ち望んだ訪問というのは違うと思う。http://testwww1.korea-np.co.jp/article.php?action=detail&pid=51543

 

平和繁栄の共同歩調に拍車
金正日総書記の中国非公式訪問(5月20日~26日)は、朝中が両国間のパートナーシップを戦略的観点から強化しながら、当面する課題を解決するための互恵協力を確認する契機となったようだ。
朝鮮は、2012年に「強盛大国の大門」を開くという目標を掲げている。また、来年には中国で指導部の世代交代が行われる。国家の中長期的な展望を立てる上で極めて重要な年を1年後に控えて、朝鮮の最高指導者が中国を訪れた。


91年のルート
金正日総書記は昨年の5月、8月にも訪中した。9ヶ月ぶりとなる今回の訪中で注目されるのは、その訪問路程だ。総書記は、1991年に金日成主席が最後に中国を訪問した時と同じルートを辿った。
主席生誕100周年を1年後に控え、「強盛大国の大門」に向かってラストスパートをかけなければならない時期に、総書記は特別列車で中国の大地を走り、20年間前を思い起こした。
金日成主席が毛沢東、周恩来など中国の革命第一世代と共に築いた朝中親善は、主席が残した革命の遺産だ。そして現在、朝鮮は主席の遺訓貫徹を何よりも重視し、内政と外交で積極的な政策展開を行っている。総書記が打ち出した「2012年構想」は、その目標を集約したものだ。
中国も朝鮮との共同財産である、両国の友好親善を活性化させるために努力し、主席生誕100周年を迎える年に「強盛大国の大門を開く」という朝鮮の決意を支持している。訪中した総書記に対する歓待はその表れだ。
胡錦濤主席は中央の幹部を国境の駅にまで送り、総書記を迎えた。戴秉国国務委員、王家瑞対外連絡部長をはじめする党と政府の幹部が特別列車に乗り、総書記訪中の全行程に同行した。
総書記の中国滞在期間中に示されたのは社会主義国特有の連帯感だ。同じ時期、東京で行われた日本、中国、南朝鮮(菅直人-温家宝-李明博)の3者サミットでは見ることができなかったものだ。
朝中関係にも紆余曲折の時期はあったが、修交60周年で「朝中親善の年」であった09年に新たな発展の軌道に入った。その後、両国間で高位級の人的交流が一段と活発化した。西側メディアは、朝鮮の対中外交をいわゆる「支援」や「承認」の脈絡で捉え、勝手な解釈を続けているが、近年、朝中の協調関係が急速に発展を遂げている理由を説明できていない。

胡主席の「期待」
朝中首脳会談が二回にわたって行なわれた2010年の朝鮮半島情勢と、そこで示された朝中の共同歩調は、「血で結ばれた」と表現される両国の伝統的親善関係の真髄をはっきりと見せつけた。
いま中国は、独立自主的な外交政策を堅持している。今回の訪中で、総書記も中国の外交姿勢を評価する発言を行っている。対外政策における共通点、路線の一致こそが、朝中連帯のもう一つの根拠となっている。
特に米国の覇権と軍事的支配に反対する朝中の共同戦線は北東アジアの安定を守る「平和の砦」として機能してきた。両国は2010年3月の「天安」号沈没事件のあと、朝鮮半島の軍事的緊張を緩和するために歩調を合わせた。11月に延坪島砲撃事件が起きると、米国の対朝鮮強硬路線を転換させるために外交的連係を一層強化した。 この間、朝鮮と中国は北京と長春で首脳会談を行っている。
胡錦濤主席は総書記の今回の訪問を「高度に重視」(朝鮮中央通信)し、総書記との対面を待ち望んだという。
今回、北京で行なわれた朝中首脳会談を、今年1月ワシントンで行なわれた中米首脳会談と関連付けて見れば、朝鮮停戦協定当事国である朝、中、米国のパワーゲームの推移が明らかになる。
これまで米国は、「北朝鮮の威嚇」を口実に地域の軍事的緊張を激化させ、中国を圧迫する路線を追求してきた。「天安」号沈没事件後、朝鮮西海で強行された米・南合同軍事演習などは典型的なケースだ。
首脳会談のためワシントンに赴いた胡錦濤主席は、オバマ大統領に対して「平和と安全保障」をテーマに直談判を繰り広げたと伝えられている。実際に、首脳会談では北南対話と6者会談の早期再開を呼びかける中米共同声明が発表された。
中米首脳会談において論議された平和問題の舞台は朝鮮半島であり、問題解決の鍵は朝鮮が握っている。胡錦濤主席としては朝中首脳会談という戦略的意志疎通の機会に、金正日総書記の構想と決断を聞きたかったはずだ。

非核化の目標
今回、北京で行われた首脳会談には中国側から次期指導者と目される習近平副主席をはじめとする幹部たちが参加した。朝鮮側の参加者は、姜錫柱内閣副総理、金永日書記、金桂官第1外務次官の3人。過去の対米外交、6者会談に携わったメンバーだ。参加者の面々は首脳会談の内容を推測するヒントになる。
朝鮮中央通信の報道によると、双方は会談で朝中関係の発展が「両国の社会主義建設をより推進させ、双方の共通利益を図り、地域の平和と安定、繁栄を守り、促す上で有利である」ことを確認した。東北アジア情勢に関連しては「全朝鮮半島の非核化目標」を堅持していくとし、中米首脳会談と同じく6者会談再開の必要性も認めた。
朝鮮にとって朝鮮半島の非核化は金日成主席の遺訓だ。しかし、それはあくまでも米国との敵対関係が清算されてこそ達成できる目標だ。一方、人民生活を向上させて「強盛大国の大門」を開くためにも、経済建設に集中できる平和的な環境を整えることは重要だ。
朝鮮半島の非核化プロセスはまた、北東アジアの秩序再編と連動することが予想される。来年、新たな指導体制がスタートする中国にとっても、それは優先的に関心を払うべき事案だ。
(中略)


キム・ジュンヒョク記者 (了)

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