お知らせ

五味洋治のページです。主に韓国での北朝鮮関連報道を訳していますが、日本語で紹介されない記事を私の目でセレクトしています。私の執筆活動、経歴についても掲載しています。最近のお勧めは、北朝鮮の軍事関連報道です。日本のメディアが伝えていない細かなものまで拾っています。私がかつてここに書いた金正恩の性格分析は今も十分通用します。筆者へのご連絡はこちらをクリックしてください。コメントは実名以外受け付けません。

2013年5月12日日曜日

開城工団まとめ 備忘録代わりにまとめてみました。

オリジナリティ確保のため、ところどころに筆者の意見も入っています。

 

●どういうきっかけで作られたのか?

韓国が南北経済協力事業として軍事境界線に近い北朝鮮の開城に建設された。事業主体は旧現代財閥系の現代峨山と韓国土地公社で、2003年6月に着工し、04年秋に一部稼働した。

将来的には66平方キロメートルを開発し、2000社が入る構想だったが、閉鎖前は123社だった。

今年1月基準で同公団には計5万3397人の北朝鮮従業員が働いており、年間約8586万ドル(約984億ウォン)が北朝鮮当局に渡っている。

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一方2011年の北朝鮮の貿易総額は63.2億ドルで、2000年(公団発足初期)の19.7億ドルに比べ3倍以上増加。北朝鮮の対外経済規模が拡大するにつれ、同公団の外貨所得が北朝鮮経済に及ぼす影響力は減少した。
http://japan.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk00400&num=17046

jetro様作成の図http://www.jetro.go.jp/biznews/51271a68a0e38

 

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●南北関係においてどれほど重要か?

開城工業団地の消滅は南北が協力を通じていつかは経済共同体に、さらには統一国家に進むというビジョンも同時に消えることを意味する。こうしたビジョンまでなくなれば、南北関係は冷戦時代の“限りない対立の悪循環”に戻るしかない。
 http://japanese.joins.com/article/242/171242.html

●いくらかかったか?

 朝鮮日報によると、進出企業123社の生産額は月約4千万ドル(約40億円)。投資総額は約5568億ウォン(約482億円)。

企業は南北経済協力保険に加入でき、各加入企業は70億ウォン(約6億円)を上限にして投資の90%まで損害の補填を受けることができるが、韓国政府の支出となる。

 開発の際、韓国側からは韓国電力など公的企業が造成や社会基盤整備に当たった。これらの投資も「5・5兆~6兆ウォン(約4770億~5200億円)になる」(政府当局者)。
写真
https://www.google.co.jp/search?q=%E9%96%8B%E5%9F%8E%E5%B7%A5%E6%A5%AD%E5%9B%A3%E5%9C%B0&lr=lang_ja&safe=off&hl=ja&rlz=1I7MXGB_jaJP533&qscrl=1&gbv=2&tbs=lr:lang_1ja&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=L8SOUcHZB43HlAWG1oCYAw&ved=0CAoQ_AUoAQ&biw=1920&bih=924

●北朝鮮側の損失は?

 北朝鮮側の損失は、労働者約5万3千人分の給料として受け取っている年間8700万ドル(約86億円)の外貨にすぎない。

しかし、相手が同胞の韓国とはいえ、半ば強制的に事業を中断したやりかたは、北朝鮮とビジネスをしたいという人から希望を奪っただろう。

 開城工業団地は2004年の操業開始以降、一度も操業を中断したことはなく、10年3月の哨戒艦撃沈事件や同年11月の延坪島砲撃の直後も操業してきた。

●何を作っていたか?

軽工業製品が中心
靴、時計、服など
http://matome.naver.jp/odai/2136567179098553601

●ここで作ったものは韓国製品と認められたのか?

米国、日本は団地で製造された物品を韓国産と認定していない。団地に進出した韓国企業の払う賃金がいったん北朝鮮当局に納められる。
http://japanese.joins.com/article/953/169953.html   

●北側は何人働いていたか?

5万3000人いた。

●これまでトラブルはなかったか?

安定供給が確保できないとして、自動車部品を同団地で製造している韓国企業に対して、発注元にあたるインド企業が取引中止を通告してきた事例がある。

北朝鮮労働者のおやつに出される韓国製のチョコパイをめぐる騒動が相次ぎ、入居する123企業の経営者たちを悩ませている。
持ち帰れば自由市場で高値で売れるため、人気が沸騰しているのだ。
http://desktop2ch.tv/bizplus/1322084010/
http://minkara.carview.co.jp/userid/144749/blog/13132021/

●なぜ閉鎖に追い込まれたか?

韓米合同軍事演習を口実に北朝鮮が韓国人の開城工業団地出入りを統制したことが引き金。韓国側は話し合いをもとめたが、北朝鮮側が拒否した。
しかし、韓国の報道によれば、なくなった金正日が、開城工団で働くと資本主義に染まるため、いつか閉鎖しろと遺言を残していたと報じている。

http://www.asiapress.org/apn/archives/2013/04/30191119.php?utm_source=website&utm_medium=rss

●閉鎖までの動きは?

 北朝鮮が3月、同団地を出入りする韓国側関係者の名簿を伝えるために使われていた南北間の軍通信を遮断してから、韓国側関係者全員が団地から撤収するまでの動きは以下の通り。
▼2013年3月27日:北朝鮮が南北間の軍通信を遮断
▼2013年3月30日:北朝鮮中央特区開発指導総局「尊厳が傷つけられた場合、団地を閉鎖する」と発表
▼2013年4月3日:北朝鮮が韓国側関係者の団地への立ち入りを禁止。韓国への帰還は認める
▼2013年4月4日:北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」報道官が「北朝鮮労働者を撤収させる」と威嚇
▼2013年:4月5日:入居企業3社が資材や原材料不足で操業中断
▼2013年4月8日:北朝鮮の金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党書記が団地の操業を一時中断し、北朝鮮労働者を全員撤収させるとの声明発表
▼2013年4月9日:北朝鮮側の労働者約5万3000人が出勤せず、団地の稼動が事実上中断
▼2013年4月11日:韓国統一部の柳吉在(リュ・ギルジェ)長官が対話を通じた問題解決を訴える声明発表。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は与党幹部との会合で、北朝鮮と対話する意向を表明
▼2013年4月14日:北朝鮮の祖国平和統一委員会が韓国の対話提案を事実上拒否
▼2013年4月17日:北朝鮮、韓国側企業代表団の訪朝不許可を通告
▼2013年4月18日:北朝鮮祖国平和統一委員会報道官「敵対行為続けば南北対話は絶対にあり得ない」と主張
▼2013年4月19日:北朝鮮、歴代の開城工業団地企業協会長らでつくる中小企業代表らの訪朝申請を不許可
▼2013年4月25日:韓国政府、南北当局間の実務会談開催を提案
▼2013年4月26日:北朝鮮が国防委員会政策局の談話を通じ、韓国が提案した実務会談を拒否
▼2013年4月26日:韓国政府、団地から韓国側労働者全員を撤収させる方針を発表
▼2013年4月27日:団地に滞在していた韓国側関係者176人のうち126人が帰還
▼2013年4月27日:北朝鮮の中央特区開発指導総局が「団地が完全に閉鎖された場合の責任は韓国側が負うことになる」と威嚇
▼2013年4月29日:団地に残っていた韓国側関係者50人のうち43人が帰還
▼2013年4月30日:開城工業団地入居企業協会代表団の訪朝、実現せず
▼2013年5月3日:北朝鮮との実務協議が妥結。団地に残っていた韓国側関係者7人全員が帰還

http://news.goo.ne.jp/article/yonhap/world/yonhap-20130503wow022.html

●給与面からの分析もある

最近に入り北朝鮮が外貨稼ぎを目的に海外への人材輸出に積極的に乗り出しているが、平均134ドルに過ぎない低賃金構造も金正恩政権が同公団維持に魅力を感じられない理由となっている。

中国メディアによれば、中国で働く北朝鮮労働者の月平均賃金は1500人民元(241ドル)で開城公団を超えている。この内60%程度が北朝鮮当局に納められている。単純計算で開城公団を閉鎖し従業員を中国などに出稼ぎに送る場合、北当局としては利益は増える。
http://japan.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk00400&num=17046

すでに朝日新聞は、開城工団の労働者を中国に引き受けるよう打診したと報じている。
ただまだ再開の可能性もある段階で打診するというのは、性急すぎる印象もある。
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_IK_detail.htm?No=46593

●再開の見込みあるか?

現段階では難しい。

韓国の朴槿恵大統領は4月29日、大統領府の会議で、「双方の合意が一瞬にして水の泡になる状況で、世界の誰が北朝鮮に投資しようとするだろうか」と述べ、 団地の正常化に応じない北朝鮮を批判した。 朴大統領は「韓国関係者が、車の屋根に製品をいっぱい巻き付けて団地から戻ってくる姿を世界中の人々がテレビで見た」と団地の印象悪化を懸念。 「政府は関連企業と従業員が希望を失わないよう、支援に最善を尽くさなければならない」と述べ、進出企業への補償などに取り組む姿勢を強調した。
http://asia-matome.ldblog.jp/archives/26324483.html

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