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2013年7月13日土曜日

非核化の定義 私的なまとめ

最近、北朝鮮問題の焦点は、「朝鮮半島の非核化」だ。
北朝鮮も、、「朝鮮半島の非核化」には同意している。
やや身勝手だが、一方で北朝鮮は、「朝鮮半島の非核化は、金日成主席と金正日総書記の遺訓だ」とも言っている。
この微妙な言い方の中には、韓国も核を放棄するだけではなく、北朝鮮の周囲からも核の脅威を無くして欲しいというニュアンスが入っている。
もともと韓国は父ブッシュ政権時代に、在韓米軍から核を撤退させている。カーター大統領時代には、米軍撤退も検討した。
新たに配備する計画もないとしている。
そして南北は、1992年には、南北非核化宣言を発表し、核兵器を半島に持ち込まず、生産しないとしていた。
北朝鮮はこの約束は反故にしておきながら、
日本の米軍基地やその周辺には、配備されているかもしれない。その可能性をゼロにして欲しいということだ。
北朝鮮の非核化を前提にした話し合いには応じない構えだ。
この要求はかなり難しい。
北朝鮮が過去に、核開発を凍結するといいながら、続けていたことがあり、最近では実際に核実験まで実施しているためだ。
2005年の6カ国協議で、この点について進展があった。
平和的な方法による、朝鮮半島の検証可能な非核化で参加国が合意したからだ。
今は全く骨抜きになっているが、多国間で合意したのは大きい。
日米韓は現在、「非核化に向けた行動が必要」と言っている。
過去には、検証可能な形での核廃絶と言っていたが、北朝鮮は、すでに核保有を公にし、憲法にまでうたっている。
憲法には
「金正日同志は、世界の社会主義制度の崩壊と帝国主義連合勢力による悪辣な反共和国圧殺攻勢の中で先軍政治に金日成同志の崇高な遺産である社会主義の獲得物である栄誉を深く守護し、わが祖国を不敗の政治思想強国、核保有国、無敵の軍事大国に転換させ、剛性国家建設への輝かしい道を開いてくださったのだ。」とある。
明言していないが、日米韓は、いきなり廃棄は難しいので、最低限NPTに基ついたIAEAの要員による核査察を求めているのだ。

どんな施設で、どんな活動が進んでいるのか。
それをリアルタイムで把握しておきたいということだろう。
ここら辺が駆け引きのポイントだと思う。
北朝鮮は最近対話ムードを作っているが、実は肝心な点でなにも応じていない。
中国も「朝鮮半島の非核化」という点では、北朝鮮に同調している。
たとえば、6月末に行われた中韓首脳会談は、大変和やかなムードだった。
しかし、北朝鮮の核問題では、立場が違っていた。
韓国側が「北朝鮮の核保有に反対」を表明したが、中国側はこれに同調せず、「朝鮮半島の非核化」を強調した。
習主席は、会談の席上、「双方は『韓半島非核化』と対話・交渉による問題解決という立場を堅持するという認識で一致した」と述べている。.
中韓首脳の共同声明は「中韓未来ビジョン共同声明」という名前になった。
この中で中国側は「朝鮮民族が期待する平和統一を実現することを重ねて表明した」と盛り込んでいる。
核をなくして統一して欲しいという中国の思惑が透けて見える。
北朝鮮と中国は、やや立場は違うが、利害関係はぴったり一致している。

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