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五味洋治のページです。主に韓国での北朝鮮関連報道を訳していますが、日本語で紹介されない記事を私の目でセレクトしています。私の執筆活動、経歴についても掲載しています。最近のお勧めは、北朝鮮の軍事関連報道です。日本のメディアが伝えていない細かなものまで拾っています。私がかつてここに書いた金正恩の性格分析は今も十分通用します。筆者へのご連絡はこちらをクリックしてください

2013年7月27日土曜日

北朝鮮の教育改革

軍事ばかりに目が行くが、正恩氏は教育にもなにげに力を入れている。予算も割いているようである。なかなか興味深い。

教育改革を通した‘知識経済時代’の人材養成
<連載>チョン・チャンヒョンの‘金正恩時代北朝鮮読み取り’ (12)
http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=103387

“教育部門では知識経済時代のニーズに合うように教育の内容と形式,条件と環境を高い水準で保障していかなければならない。”
昨年1月新年共同社説を通して,北朝鮮は大々的な教育改革を予告した。
‘社会主義文明国建設のニーズに合うように教育事業で革命的転換を起こそう’という趣旨であった。


核心目標は知識経済時代に合う人材養成だ。

昨年9月教育改革断行

昨年5月30日金正恩国防委員会第1委員長は万寿台地区に新しく建設された倉田小学校と慶尚託児所,慶尚幼稚園などを現地指導した。

倉田事アパート建設事業の一環で完成した倉田小学校は20個の教室と各種実験室,コンピュータ室,外国語学習室など現代的な教育施設らが取りそろった。


特にこの学校コンピュータ室には大型モニターをそろえて,学生たちを対象にマルチメディア授業を進行することができるようにした。

同日金正恩第1委員長は慶尚幼稚園を訪問した席で進学前子供たちの知能教育が重要だと強調した。

北朝鮮労働党機関紙<労働新聞>ド昨年8月11日教育革命の火が勢いよく起きている“普通教育性では中等一般教育段階の教育内容を合理的に組み合わせながら,青少年学生たちに実践で使える産地式を教えてやるための新しい目標をたてている”として教育改革を予告した。


そして2012年9月25日北朝鮮は最高人民会議第12期6次会議を開いて‘全般的12年制義務教育を実施することに対する法令’を電撃的に採択した。

北朝鮮は“教育に対する要求が比べるところがなく高まっている今日社会主義強盛国家を全面的に建設していく現実的要求を反映して,全般的12年制義務教育を実施するようになる”として法令制定の意味を説明した。


これに伴い小学校過程が4年から5年に1年延びたし,中学校過程が初級中学校と高級中学校で分離した。

これで北朝鮮の教育学制は幼稚園(2年)-小学校(5年)-初級中学校(3年)-高級中学校(3年)で変化する予定だ。

北朝鮮は2013~2014学年度から6年制中学校を3年制初級中学校と3年制高級中学校で運営しながら,4年制小学校を5年制小学校に転換するための準備段階を経て,2014~2015学年度から始めて,2~3年内に終えるという計画だ。

合わせて北朝鮮は学制と教育問題は別に定めながら,義務教育改編にともなう不足教師を補充して教師たちの資質を高める教育方法を改善するために対策も用意する方針だ。


11年制義務教育を導入して40余年ぶりに,2002年9月小学校の‘人民学校’を‘小学校’ロ,中等教育機関の‘高等中学校’を‘中学校’で各々改正して,学制を幼稚園-小学校-中学校-大学に変えた後10年ぶりに教育全般(前半)に対する改革措置が出てきたのだ。


2010年内閣教育省を教育委員会で改編して,教育改革を準備し始めて2年ぶりに実行に移したわけだ。

教育過程と内容の大々的な改編

北朝鮮は12年制義務教育制導入と共に12年制義務教育の‘総的目標’(総論),‘教科別到達目標’(教科目別成就水準)を定めて教授内容の範囲.水準も直すなど事実上教育過程全般に対する大々的改編作業に着手した。


教育改革の目標は金正恩第1委員長が昨年4月15日初めての演説で強調した知識経済強国を建設するための人材養成にある。

崔泰福最高人民会議議長は昨年教育改革に対して報告しながら“学生たちに数学,物理,化学,生物と同じ基礎科学分野の一般基礎知識を与えるのに基本をおきながら,コンピュータ技術教育,外国語教育を強化しなければならない”と強調した。

特に金正恩第1委員長は10月12日革命遺児教育機関の万景台革命学院と姜盤石革命学院(塾)の創立65周年を記念する書簡を教職員および学生に送って,コンピュータおよび外国語教育だけでなく“経済学科目の質”を高めることを指示して目を引いた。


北朝鮮は教育改革施行以前にすでに教育方法および教育過程の転換を促したことがある。
<労働新聞>2012年9月22日‘知識経済時代のニーズに合うように教育方法で革命的転換を’という題名の文で“最近党の意図を高く掲げて,全国的に中等一般教育を決定的に強化するための強い風が吹いている”としてその事例で平壌綾羅中学校を紹介した。


説明中心の古い教授方式で完全に抜け出して,学生たちの能動的な思考活動を積極的に助長発展させて,彼ら自身が問題点を探して解決方法と学習方法まで探せる新しい教授方法がすべての授業に具現されているということだ。


この新聞は教師が数学を教えるのに多媒体編集物(CD?DVDなど),模型,実験機構などを活用するのを新しい教育方法の事例で紹介した。


このような説明は教科書を通した、かたい理論教育より学生たちが創造力を発揮できて実生活に応用できる実験.実習授業中心に教育過程を直すということを意味する。


北朝鮮が昨年2月内閣教育委員長に金スンもリ過大学学長を起用したのもこのような意志が反映されたと分析される。

金スンも委員長は1959年生まれで生物学博士学位と後普願寺称号(博士より一段階高い名誉称号)を持った北朝鮮生物学界の最高権威者であるためだ。

彼が2000年から学長で仕事をしてきたリ大学は北朝鮮で数学,物理学など基礎科学分野の代表教育機関だ。


北朝鮮はすでに2008年9月学期から北朝鮮転任の小学校でコンピュータと英語科目を3学年から正規科目に開設されて,教育し始めた。

このために北朝鮮は平壌第1中学校小学班で5年以上試験教育を進行したことがある。
情報化と国際化に備えるための措置であった。

PC普及,教材開発


[資料写真-民族21]北朝鮮は新しい教授の部屋法普及のために最近科学技術を活用した教材を相次いで,開発,普及し始めている。


昨年第8次平壌秋季国際商品展市議会(24~27日)に市場に発表された携帯用電子機器の‘板型コンピュータ(タブレットPC)’が代表的だ。

北朝鮮では朝鮮コンピュータセンター(KCC)の‘三池淵’,平壌(ピョンヤン)技術総会社(PIC)の‘アリラン’,朝-版みな合作会社の‘朝’等のタブレットPCが販売されているのに,主に教育と事務現場で活用されている。

国際商品展示会場を探した姜錫柱内閣副総理も“子供たちの知能発展を助けるプログラムが多いことだし,判型コンピュータの国内需要を充足させなければならない”と強調した。

KCC関係者も“学生たちが牛?中学校のすべての教科書を記憶させた判型コンピュータを持って通いながら,どこででも勉強できる”と話した。

昨年9月24日現代的に改装された平壌児童デパートでも知能開発用玩具を販売するのに力を注いでいる。

7月このデパートを探した金正恩第1委員長は“国の科学技術発展のために私たちが教育事業に力を入れるべきなのに子供たちの知能開発適正な時期は幼稚園”として‘知能玩具販売台の追加設置を指示したことがある。

これに伴い全国100ケ余り指定工場が平壌児童デパートに商品を正常に納品するようにする‘国家的措置’が取られた。

教育プログラムも相次いで導入されている。

代表的に金日成総合大学で1万余件の北朝鮮歴史遺跡と遺物資料をコンピュータ網を通して,閲覧する電子システムを完成した。

北朝鮮当局が知識情報時代に合うように教育コンテンツを体系的に作っているわけだ。

昨年9月初め倉田に新しくできたアパートに入居した教員の家を訪問した時,金正恩第1秘書は世界名作童話全集をプレゼントしたのにこの童話の本の本文は英語と朝鮮語になったし,紙の質も良かった。

北朝鮮が幼いころから英語に接することができる教材開発にも気を遣っているのだ。

金正恩体制が公式スタートした後初めて開かれた最高人民会議の初めての決定が教育問題だったという点は象徴的な意味を持っている。

1946年2月金日成主席が北朝鮮臨時人民委員会委員長に就任した後開かれた最初の会議の案件が学生たちに鉛筆など学用品を正常に供給する問題だったためだ。

金正恩時代にすべての政策方向が金日成時代を準拠としているという点をよく見せる。
崩壊になった教育システムの正常化

▲平壌第1中学校英語時間.

ある学生が南側訪問客と英語で対話をしている。

また金正恩時代の教育改革は1990年代中盤‘苦難の行軍’時期に乱れた教育体系を全国的に正常化させるという意味も内包している。

北朝鮮は深刻な経済難に直面しながら,学生たちに教科書と制服,学用品などを正しく供給できなかっただけでなく教員らに生活費支給と食糧配給も正しくすることができなかった。

北朝鮮最高の大学という金日成総合大学ですらコンピュータ室を正しく運営できないほどであった。

やむをえず北朝鮮は一般教育よりは秀才教育に力を注ぐ‘選択と集中’をするほかはなかった。

北朝鮮は1999年に市,軍区域別に水害学校を作れとの金正日国防委員長の指示により200ケ程度の第1中学校を設立して,科学技術と外国語,コンピュータ分野で才能ある人材を養成する水害教育に焦点を合わせて,教育してきた。

そうするうちに2000年代中盤から北朝鮮経済が少しずつ好転しながら,教育分野の投資条件も良くなった。

一次的に平壌市内学生たちに対する制服供給が実現化したし,2012年には全国のすべての小学校,中学校,大学学生たちに制服が供給された。

特に北朝鮮の教育改革で凝視する大きい課題は‘中等一般教育’段階の教育内容を時代的傾向に合うように改編するのに焦点が合わされているという点だ。

2000年代に入ってきて,一般学校まで拡大実施しようとする意図である。

金正恩第1委員長が教育改革を控えて初めての訪問学校で倉田小学校を現地指導したのもこれと関連があるようだ。

今後教育過程改編と関連して,高級中学校過程に対する変化も注目される。

一部噂よれば、北朝鮮は教育制度改編後続作業で高級中学校3年過程を成績により南側の実業界過程と類似の教育過程を新しく導入する計画もあると伝えられる。

すべての学生たちは幼稚園,小学校,初級中学校までは同じ学制で同じ教育を受けるが,高級中学校過程は超等と中等学院過程で分化して,全く違う教育を受けるようになるのだ。

初等学院は大学に入学する上位圏学生たちが入学して,中等学院は技術や商業教育を受ける。

高級中学校過程を二分化する代わりに秀才教育を担当した第1中学校の数は大幅縮小して,一般中学校の教育を正常化するのに力点をおいている。

1990年代崩壊になった教育システムが本来の位置に戻っていきつつあるのだ。

教育改革以後物理.化学.生物科目が'科学'で統合された。
このような教育制度および教育過程改編が計画のとおり施行されれば北朝鮮社会に大きな変化をもたらすほかはないものと見られる。

義務教育を1年延長しようとするなら学校など教育施設の拡充,教師増員,教科書編纂,学習機資材確保などのために国家的に大規模予算を投じるほかはなくてこれは国家予算分配システムにも大きい影響を及ぼすためだ。

1990年代中盤以後,北朝鮮教育分野の予算は全体予算の11%程度に留まっていて教育改革の成功のためには追加的な教育予算の確保が必須の状況だ。

実際に北朝鮮は昨年から制服供給を正常化して教師たちには服地を供給するなど教育予算を大幅増やしている。

北朝鮮は義務教育拡大に必要な教員拡充と処遇改善方案も準備していると伝えられる。
もちろん持続的な教育予算投資は課題で残っているほかはない。

今年に入ってきて北朝鮮は新しい学制の9月施行を控えて教育過程改編に速度を速めている。
まず新しい教育過程に合わせて,教科書を新しく作って,義務教育が始まる幼稚園で小学校を経て,初級中学校まで教える統合教科目を新しく作った。

例えば過去には初級中学校に該当する中学校1~3学年で物理.化学.生物科目を別に習ったが,今秋からは三科目を統合して‘科学’という教科目で習うようになる。

北朝鮮は初等中学校(韓国のの中学校)までは個別的な事実や原理で一般的な命題や法則を誘導する帰納的教育をして,高等中学校では三端論法と同じ演繹的思考を育てる教育過程を用意したと明らかにした。

昨年初級中学校と高級中学校で分離運営することに決めたことにともなう後続措置であるわけだ。

金正恩体制登場以後北朝鮮では‘世界的傾向に合うように’という言葉が使われている。

教育改革に対しても北朝鮮は知識経済時代の現実的要求と世界的推移を反映して,教育の質的水準を高めようとすることだと強調している。

このような北朝鮮の構想が現実で現れる場合金正恩時代に始めて足を踏み入れた教育改革は義務教育年限を1年増やすことに終わらないで,教育予算の大幅拡大,マルチメディア活用した教育方法の革新,多様な教材および教育プログラムの開発,秀才教育の全国拡大など北朝鮮教育全般に途方もない変化を作り出すだろう。

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