お知らせ

五味洋治のページです。主に韓国での北朝鮮関連報道を訳していますが、日本語で紹介されない記事を私の目でセレクトしています。私の執筆活動、経歴についても掲載しています。最近のお勧めは、北朝鮮の軍事関連報道です。日本のメディアが伝えていない細かなものまで拾っています。私がかつてここに書いた金正恩の性格分析は今も十分通用します。筆者へのご連絡はこちらをクリックしてください。コメントは実名以外受け付けません。

2013年7月5日金曜日

秘録 日朝交渉 ~知られざる"核"の攻防~を見る

2009年11月8日(日) 午後9時00分に放送されたNHKスペシャル。外務省の極秘資料を基に放送された。録画しておいた内容を今回再び見直してみた。
内容は、拉致だけでなく核の問題で日本がイニシアチブを取ったというPRくさい内容だが、首脳会談の議事録を引用していて、それなりに興味深い。
当時訪朝に同行した安倍首相の発言も2カ所で引用されている。記録のために書き起こしておく。

キャプチャ1
冒頭のあいさつの後、本題に移った。
小泉 戦争を起こさないのが政治家の使命だ。
金正日 両国は豊臣秀吉以前はよかった。日本側の戦後賠償で誠実な対応を望む。
そして、拉致の謝罪に移る。
金正日 自分としては遺憾だ。2度とこういうことが起こらないことを望む。


それまで割と快活だったんですね。この時に非常に、金正日委員長の表情は硬くなりましたね。上目使いで小泉総理の表情をうかがうという感じで説明していました。私はそれを見ながら、この人物は意外と気が小さいのではないか。こちらがどんどん押していくべきだとおもいましたけどね」


どんどん押していくという今の対北朝鮮外交路線は、第1回日朝首脳会談の時の印象を引きずってのことだと考えられる。

相手をどうよぶのか。国防委員会の委員長と呼ぶ。北朝鮮は北朝鮮の呼称を嫌うので、お国とする。全体問題と個別問題を交互に取り上げる。

そして核の問題。すでに6者協議の文字が入っていた。

悪化する米朝関係改善に乗り出した。

小泉 経済が重要だ。核について約束を守るべきだ
金  核の問題は、米朝の問題だ。アメリカは約束を守らない。アメリカは朝鮮を悪の枢軸と言った。
アメリカは口先だけだ。戦うのか、話し合うのか。我々は実際に戦わないといけないかもしれない。
しかし我々としては、常に門戸を開いている。だからブッシュが話したいというのなら話す。アメリカを誠意を示す必要がある。日本はアメリカと最も信頼関係がある。小泉首相にこの問題で努力してもらいたい。

小泉 ブッシュ大統領に話しましょう。対話しないとなにも生まれない。

地域の信頼醸成のため、6者協議という対話のばを準備することが必要。あなたの協力をいただきたい。



これに関連し、毎日新聞の報道があった。

北朝鮮:「核兵器保有は米のせい」…金総書記が小泉氏に
毎日新聞 2013年07月15日 11時56分(最終更新 07月15日 12時21分)

 【北京・西岡省二】米国のせいで、仕方なく核兵器を持つのだ。ブッシュに言ってくれ??。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(2011年12月死去)が02年9月の日朝首脳会談の際、小泉純一郎首相(当時)に対し、核保有に至る自国の立場をブッシュ米大統領(同)に伝えるよう求めていたことが14日、分かった。当時は日朝対話が進む一方、米朝間は北朝鮮の核開発疑惑によって緊張が高まりつつあった。日本を仲介させ、対米交渉を有利に進めようとする北朝鮮の戦略が浮き彫りになった。

 毎日新聞が入手した朝鮮労働党幹部による内部講演の音声記録で判明した。北朝鮮は最近も日朝対話をてこに米国との対話再開を求める姿勢を見せており、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記も同様の路線を踏襲している模様だ。

 講演者の話によると、金総書記は首脳会談の際、小泉首相に対し「これから私が言うことをそのままブッシュに言ってくれ」と前置きし「我々は核兵器を持たないようにしているのに、米国が執拗(しつよう)に持つようにしているため、仕方なく持つのだ」と主張したという。また、金総書記が「米国のせいだ」「生きていくためだ」などと訴えたことも紹介。

 日本外務省の記録によると、小泉首相は首脳会談後の記者会見で「米朝関係について金総書記から『常に対話の門戸を開いている。日本からもこのことを伝えてほしい』という趣旨の発言があった」と述べていたが、核兵器に関する伝言は明らかにされていない。

 内部講演は3回目の核実験(今年2月12日)後、間もなく開かれたとみられ、核実験を強行した背景などにも触れている。

 核実験前、米韓両海軍が北朝鮮をけん制するため、日本海で合同軍事演習を実施。これを「敵国はいろいろな手段で我々を破壊しようとしていた」と批判し「元帥様(金第1書記)が『1歩退けば、次からは10歩、100歩引き下がることになる』とおっしゃって核実験を成功に導かれた」と紹介し、金第1書記の指導力をたたえた。


 さらに、衛星打ち上げを成功させた「2012年12月12日」、核実験を成功させた「2013年2月12日」の年月日の数字をすべて足し合わせると、いずれも「11」になると説明。「11」を金正恩体制を担ぐ「祖国」「核」「宇宙強国」のシンボルとなる数字だと強調している。

0 件のコメント:

コメントを投稿