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2013年11月14日木曜日

中国の夢 空母所有への道

中国と空母について個人的にまとめてみました。

 

 2012年9月19日中国がついに航空母艦を手に入れた。遼寧「という名前で、飛行機の離着艦が可能な艦として艦隊に編入された。
 中国初の空母「遼寧」は、計画通り改修や試験航行などの作業を終え、25日午前に中国船舶重工集団公司・大連造船廠にて海軍に正式に引き渡された。胡錦濤国家主席(中共中央総書記、中央軍事委員会主席)、国務院の温家宝総理(中共中央政治局常務委員)らが式典に出席し、空母を視察した。新華網が報じた。
 式典にはこのほか、郭伯雄・中央軍事委員会副主席、徐才厚・中央軍事委員会副主席、馬凱・国務院秘書長、常万全・軍総装備部長、呉勝利・海軍司令員なども出席し、共に視察を行った。温総理は式典で、党中央、国務院、中央軍事委員会からの祝電を読み上げた。
 祝電の中で、「空母の発展は、党中央・国務院・中央軍委が国の安全と発展の大局に着目して実施する重大な戦略的措置だ。中国初の空母の編入は、中国軍の近代化レベル向上、国防科技工業技術の進歩・能力建設の促進、国防力・総合的国力の増強にとって、また、民族精神を奮い立たせ、愛国心を呼び起こし、全党・全軍・全国各民族の人々を鼓舞して全面的な小康社会を建設し、中国の特色ある社会主義事業の新たな局面を切り開く上で重大かつ深い意義を持つ」と述べた。

 すいぶん大げさな言い方だが、これは本心だろう。わざわざ「愛国心を奮い立たす」と言っていることだ。
 中国初の空母「遼寧艦」は7月3日、予定していた科学研究試験と訓練を順調に遂行し、青島の某軍港に戻った。
 遼寧艦は6月9日に出港し、25日間にわたって空母・艦載機の適合性試験と訓練を実施し、艦載戦闘機J-15の多くの兵士と艦載機を使った連続発着艦訓練、初の駐機・飛行訓練と短距離滑走発艦を成功させた。
 中国第1陣の艦載戦闘機のパイロットと着艦指揮官は空母への搭載資格を得た。
 艦載戦闘機J-15が艦上で105メートルの短距離滑走離艦を行ったことは、今回の試験と訓練における重大な飛躍である。

....毛主席、周主席の発言
 中国出大ニュースとなった初の空母所有は、故毛沢東主席の悲願だった。
 存命中「必ず造船工業をつくり、大量の造船、海上の鉄路建設が必要だ。数年内に強大な海上戦闘の力を備えなければいけない」と強調している。
 1993年の時点で、21世紀初めまでに、中型空母を二隻保有するという決定をしたという。中国の空母建設計画は1974年にさかのぼる。病床にあった周恩来首相が、葉剣栄共産党軍事委員会副主席に対して、空母建設の必要性を説いたことから始まったという。
 中国の東シナ海や、南シナ海での領有権問題を挙げた。

....世界最初の空母
 大巡改装の英空母フューリアス(Furious,1917年7月竣工)が世界初だ。ただ、このフネは飛行甲板が前後に分かれ、真ん中に巨大な煙突と艦橋が建っており、飛行機の運用が非常に困難でした。
翌1918年9月、客船を改装した英空母アーガス(Argus)が船体のほぼ全てを覆う飛行甲板を装備して竣工した。
 近代空母の祖としてはアーガスが取り上げられる事がほとんどだが、記録上はフューリアスだ。
 意外にもその後には、日本で建設された風翔号が航空母艦だとされる。国連の安全保障委員会の5カ国のうち、空母を持っていないのは中国だけだった。
 現在世界で9つの国が空母を持っている。日本は日向級、韓国は独島級の準航空母艦を準備している。

....なぜ重視
 中国は1.8万キロの海岸線を持っているほか、6500の島を擁している。約300万平方メートルの青色国土(海洋)を持っている。
 さらに貿易の90%は海上輸送を通じて送られる。特に石油や石炭、鉄鉱石、食糧などは海路届けられる。
 さらに海には、石油や天然ガス、漁業など豊富な資源が眠っている。
 空母を通じて、科学技術の向上もはかることができる。空母は、世界や地域の安定にも役立つ。
 1970年代、造船工業指導小組が上からの指示で航空母艦の研究を始める。
 80年代には関係部門が検討を開始、海軍も空母と原潜の研究に着手する。
 2008年11月、国防省の外事弁公室はメディアに向け、「もし中国が空母を持つことになっても驚くべきではない。われわれはそれを近海防衛のために使う」と述べている。
 2011年7月27日、中国国防省はブリーフの席上、中国は現在一隻の引退した空母を改造している。これは試験と訓練のためだ」と述べた。

....ウクライナの廃船
中国の空母「遼寧」は、もともとウクライナから廃艦となった未完成の空母「ヴァリャーグ」を購入したものだ。今回の固定翼機の運用開始は、ヴァリャーグ購入から14年が経っている。また、改修されて「遼寧」に改名され中国北部を出航してから1年半近く経っている。
これがウクライナの空母、2002年3月に大連港に持ち込まれ、2005年8月から改造に着手し、6年後にようやく完成した。


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.....中国が空母を保有した理由
 中国の空母が就航し、世界の注目を集めている。中国網日本語版はこのほど、中国の空母を「一銭の価値もない」と貶める声もあり、「中国が空母を手段とし、米国のような覇権主義の道を歩くのでは」と懸念する声もあるが、どちらも事実とはかけ離れていると報じた。
 世界各国の95%が空母を保有していないが、それは空母が役に立たないからでもなく、各国が空母を欲していないからでもない。これには政治的な原因のほかに、技術と巨額の費用といった問題がある。

以下はこのページからの引用だ。


 「中国は日増しに高まる国力、国防科学技術、工業を支柱とし、空母の改造を実現した。その強力な作戦能力と抑止力は、中国の近海防衛能力を強化し、海軍の作戦範囲を拡大した。また単一的な防衛手段、遅い反応速度、弱い制空権・制海権を改善し、中国の軍事理論、兵力の構造、体制・編成、作戦方法、軍事指揮訓練、人材育成等を全面的に現代化した。
 中国の空母は最終的に戦闘力を形成するが、これは中国の国家安全の戦略的範囲を拡大し、戦略面の選択肢を増加することで柔軟性・主導性を高め、国家安全戦略の質を高め、戦略の安定化を促す。西側諸国の一部の人は、この現実を直視しようとしない。彼らは中国の空母の戦略的価値を意図的に貶めているが、それは中国の国防の発展に対する不安と焦りを示している。中国の空母が就航し、世界の注目を集めている。
 空母と言えば、世界中を巡り覇を唱える米国の原子力空母が連想される。中国が米国の先例を繰り返すことを懸念する声があるが、その心配は無用だ。中国は米国でなく、中国の空母は米国の空母でもないからだ。

 中国と米国の空母はまったく異なる性質を持つ。一方は世界における圧倒的な軍事力と主動的な立場を維持する道具であるが、もう一方は世界の平和、秩序、持続的発展を支える安全環境を維持し、人びとが安心して労働に励めるようにする衛兵だ。両者を比較することはできない。
 中国の空母保有は核兵器保有と同じく、中国の軍事戦略・国防戦略の自主性・自衛性・防衛性を変更するものではない。中国は遠洋作戦能力・遠洋機動力を必要としているが、中国の海上安全の重心は近海に置かれる。空母の登場により、中国が「近海防衛」戦略の基本姿勢を変えることはない。
 中国の空母はブロイラーではないが、好戦的な闘鶏でもない。空母は中国が数多く持つ、戦略的防衛・戦略的反撃の手段の1つにすぎない。中国は空母保有により、冷静かつ理性的に防衛戦略を策定することができ、そこから自信が得られる。中国の空母は、中国の海上安全を維持する「定海神針」(西遊記に登場する武器)であり、世界平和を守るノアの方舟でもあり、平和を愛するすべての人に歓迎される正しい力であるのだ。


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中国初の空母「遼寧」は、計画通り改修や試験航行などの作業を終えた。

21隻の現役空母、米国が11隻を保有
米国の空母「ニミッツ」
 ■世界の空母
 ・米国
 現役空母を計11隻保有。空母開発は他国に少なくとも2~30年先駆けており、現在建造中の「フォード」は他国との差をさらに広げる見通しだ。同艦は新型の原子力空母で、ステルス技術を採用し、レーザー砲を搭載。
 ・ロシア
 ロシアの現役空母は、ソ連が建造した当時初の固定翼機を運用する空母「アドミラル・クズネツォフ」の1隻のみ。同空母は1991年より正式に就役し、2012年に現代化改造を行い、2017年に完了する見通し。
 ・インド
 2010年初頭、インド海軍に唯一残された「ヴィクラント」は就役後50年が経過した。これまで計画されていた空母の発展計画(少なくとも空母3隻を建造)は頓挫したものと見られる。
 ・イタリア
 空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」は全長が180メートルのみで、英国「インビンシブル」の後を継ぐ世界最軽量の空母。新型空母「カヴール」は、原子力空母以外で動力最大の空母と称される。
 ・英国
 軽空母「イラストリアス」は「インビンシブル」の2番艦で、1982年6月に就役した。
 ・フランス
 原子力空母「シャルル・ド・ゴール」は1986年2月、フランス国防省の指示により建造され、2000年9月に就役した。同空母は米国の原子力空母を除く、世界で唯一の原子力空母である。
 ・ブラジル
 ブラジルは2000年、フランスから「フォッシュ」を購入し、「サン・パウロ」と命名した。このブラジル海軍で1隻のみの空母には、1300人の乗員を収容できる。
 ・タイ
 軽空母「チャクリ・ナルエベト」は現タイ王室名のチャクリー王朝に由来している。同空母はタイ王国海軍が1992年3月、スペインのバサン造船所から購入したもので、1997年3月20日に引き渡され、1998年より就役。
 ・スペイン
 「プリンシペ・デ・アストゥリアス」は、米国海軍が研究していた制海艦をベースにし、共同開発で建造された。ハリアーやヘリを搭載可能で、現代化小型空母の仲間入りを果たした。
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