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五味洋治のページです。主に韓国での北朝鮮関連報道を訳していますが、日本語で紹介されない記事を私の目でセレクトしています。私の執筆活動、経歴についても掲載しています。最近のお勧めは、北朝鮮の軍事関連報道です。日本のメディアが伝えていない細かなものまで拾っています。私がかつてここに書いた金正恩の性格分析は今も十分通用します。筆者へのご連絡はこちらをクリックしてください。コメントは実名以外受け付けません。

2014年7月15日火曜日

日経 生存者報道リスト報道

何かと物議のリスト報道 

判断材料として記録しておきます。原文を大幅に短くし、論旨を変えない範囲で文章を直しています。

 

北朝鮮、生存者リスト提示 拉致被害者ら「2桁」
2014/7/3 3:00

 日本と北朝鮮が1日に北京で開いた外務省局長級協議で、北朝鮮側が国内に生存しているとみられる日本人のリストを提示していたことが明らかになった。リストに掲載されているのは2桁の人数だという。日本政府はリストに掲載されている人物が拉致被害者や拉致の疑いがある特定失踪者らと同一かどうかの確認作業に着手した。

 

(略)

 

 複数の日本政府関係者によると、朝鮮語で人名や経歴などが掲載されている。

 

日本側は持ち帰り、政府が保有する拉致被害者や特定失踪者に関する資料との照合作業を始めた。リストを提示した北朝鮮側の真意は不透明な点もあるが、政府は北朝鮮が拉致問題の進展に前向きな姿勢を示しているとの見方を強めている。

 

(略)

 

生存者リストに複数の拉致被害者 北朝鮮、約30人提示
政府、情報を照合

2014/7/10 3:00日本経済新聞 

 北朝鮮が日本側に提示した北朝鮮国内に生存しているとみられる日本人の生存者リストが約30人であり、政府が認定している複数の拉致被害者が含まれていることが9日、明らかになった。

 

北朝鮮側は同リストを今年初めに作成したと説明した

 

今後の拉致被害者らの再調査は同リスト以外の人物も対象になる見通しだ。政府はリストに掲載されているの安否の詳しい説明などを北朝鮮側に強く求めていく方針だ。

 

 生存者リストは北京で1日に開いた日本と北朝鮮の外務省局長級協議で、北朝鮮側が提示した。関係者によると、約30人にのぼる日本人の名前、生年月日、職業、家族構成などが記載されていた。

 

政府は、同リストと政府が把握する拉致被害者や拉致の疑いが濃厚な行方不明者の情報との照合作業を終え、約3分の2が日本側の記録と一致した。

 

 リストには政府が認定している17人の拉致被害者(このうち5人が帰国済み)のうち、複数の名前があるほか、拉致の疑いがある行方不明者や、それ以外の日本人名もあった。

 

 北朝鮮側は今回の一連の協議が本格化する前から、北朝鮮国内にいる日本人の所在などを把握していたとみられる。

 

(略)

 

 北朝鮮側は1日の局長級協議で国防委員会幹部をトップとする特別調査委員会のもとで拉致被害者を含めた日本人の安否に関する包括的な調査を始めることを日本側に伝達した。

 

北朝鮮側が今回のリストを再調査の中でどう位置づけていくのかは不透明な部分もあるが、日本側はリストに掲載されている人物だけでなく、すべての拉致被害者や特定失踪者らの安否を調べるよう強く求めていく考えだ。

 

拉致再調査、北朝鮮の調査範囲焦点に 拡大要求へ
2014/7/10 23:54
日本経済新聞 
 

 北朝鮮が日本側に北朝鮮国内に生存するとみられる約30人のリストを提示していたことが明らかになった。北朝鮮が今月に立ち上げた特別調査委員会の調査では、情報内容の確認や対象者をどこまで広げるかが焦点となる。

 

(略)

 

 

 一党独裁体制である北朝鮮では、外国人の所在を当局が厳格に管理している。日本人の拉致被害者らも秘密警察の役割を担う国家安全保衛部が監視下に置いているとみられてきた。拉致被害者らの名前や所在に関しても、一定の範囲で北朝鮮当局が把握しているとの見方が多かった。

 

 北朝鮮側が今回示したリストは今年初め時点のものとされ、日朝交渉が本格化する前の時点ですでに作成済みだった。日朝協議で5月末に合意した特別調査委員会による日本人の再調査を直接念頭においた名簿ではないようだ。

 

 北朝鮮側がそれまでに把握している情報を今後の調査内容の土台となる情報として提供したもので、関係者は「再調査対象の一部にすぎない」と受け止めている。

 

 日本政府によるリストの照合作業では約3分の2が日本側の情報と一致し、複数の拉致被害者が含まれている。残る約3分の1も照合作業を続けている。リストの解析を元に、北朝鮮が実際にどのような情報を把握しているかなどを慎重に見極めたい考えだ。

 

 日本政府はこれまでも北朝鮮が拉致被害者らの所在を管理しているとみて、水面下の交渉で名前などの提供を求めたが拒否されてきた経緯がある。今回は日本側の求めに応じて約30人のまとまったリストを提供しており「再調査をすれば少なくとも一定の成果を出す用意があるという北朝鮮側の意図がうかがえる」との分析もある。

(略)

 

 

抗議文

http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kp/page4_000558.html

日本経済新聞7月10日付朝刊の報道内容(拉致被害者生存者リストの提示)に関する申し入れ

平成26年7月10日


 7月10日午後,日本経済新聞社に対し,同社が同日付朝刊1面に「拉致被害者複数 生存者リストは約30人」との見出しの記事を掲載した件につき,外務省,内閣官房拉致問題対策本部事務局,警察庁の連名で,以下の内容について,文書を手交の上申し入れを行いました。

 貴社は,平成26年7月10日付朝刊1面において,「拉致被害者複数 生存者リストは約30人」との見出しの記事を掲載し,「北朝鮮が日本側に提示した北朝鮮国内に生存しているとみられる日本人の生存者リストに,政府が認定している複数の拉致被害者が含まれていることが9日,明らかになった」「生存者リストは北京で1日に開いた日本と北朝鮮の外務省局長級協議の際に,北朝鮮側が提示したもの」と記述されています。この報道内容は事実と全く異なるものです。

 

 貴社は,平成26年7月3日付朝刊1面においても,「北朝鮮,生存者リスト提示」との見出しの記事を掲載し,「日本と北朝鮮が1日に北京で開いた外務省局長級協議で,北朝鮮国内に生存しているとみられる日本人のリストを北朝鮮側が提示していたことが明らかになった」と報じましたが,この記事の真偽について記者会見で問われた菅官房長官が明確に否定したにもかかわらず,今般,改めて同旨の内容を記事として掲載したことは大きな問題であると考えます。

 日本政府としては,北朝鮮が7月4日に立ち上げた特別調査委員会の調査の進捗を慎重に見極めていきたい考えですが,こうした状況において,貴社のように社会的に影響力の大きい報道機関において,このように事実に全く反する記事を重ねて掲載することは,大きな期待や不安を抱える拉致被害者ご家族のお気持ちに与える影響を含め,重大な社会的影響を及ぼしうるものであり,極めて遺憾であります。

 このため,当該記事に対し強く抗議し,速やかに訂正されるよう求めます。

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