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2015年5月30日土曜日

日朝協議の行方は?

昨日あるところで講演をいたしました。このブログの読者もいらっしゃっていて、「もう少しおまえの意見を書け」と言われました。このブログは私の調査活動の副産物なのですが、もう少し本格的な意見を書こうと思っています。
永続きするかわかりませんけど。

昨日の話の中で日朝協議の行方について話した部分を記録に残しておきます。
拉致被害者をめぐる日朝協議は全く動きがありませんが、このまま調査開始から一年を過ごしてしまうわけにはいかないでしょう。正式に協議を開く必要があります。
私は今後3つの可能性があると見ています
3つの可能性
1) 6月~7月に正式な政府間交渉を行い、北朝鮮側から報告受ける。報告内容については、一カ月の調査期間が必要とされているのでそこから日本政府が平壌に派遣して、裏つけを行う。
 これは最も一般的なプロセスです。しかしこうはならないでしょう。
日本側が最も重視する拉致被害者が生存するという確証が得られていないからです。
 とすると次ぎの可能性が考えられます

2) 拉致で進展なし。日本側が受け取りを拒否、平行線時間切れ決裂 北を非難し、6か国協議の枠組みを再構築して、その枠内で交渉を求めていく。
 責任を北朝鮮にかぶせて、おしまいという流れ。しかし、北朝鮮は朝鮮総連の議長の息子逮捕などについて反発していますが、日朝協議事態を破棄するとは言っていません。まだまだやる気があります。
 とすると第3の選択が有力になります。 
3) そもそも一年で報告はメドだった。結果がでないのならもっと調査してほしい。政府間協議を開いて、延期で同意する。ということです。

そもそも総連議長の息子逮捕での北朝鮮の反応は非常に穏やかでした。
http://www.asahi.com/articles/ASH4267HKH42UHBI023.html

朝鮮中央通信によると、北朝鮮は2日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)議長宅への家宅捜索などに抗議する通知文を外交ルートで日本政府に送り、「このような状態では朝日政府間の対話もできない」などと主張した。

 日本の警察当局による総連への捜査を牽制(けんせい)し、拉致問題などをめぐる日朝協議を揺さぶる狙いがあるとみられる。

 通知文は、日本人拉致被害者の再調査を約束した昨年5月の日朝合意を「我々は誠実に履行している」とする一方、「日本が拉致問題を双方の間で解決する合意を破り、国連の人権舞台で国際化することで信頼できなくした」と指摘しているという。

 また、北朝鮮の最高人民会議(国会に相当)の代議員である総連の幹部活動家らへの家宅捜索を「前代未聞の国家主権侵害行為」だと非難し、日本政府に謝罪を求めている。

5月29日の午前と午後記者会見で菅義偉官房長官はこう述べています。約束違反だとか、正直ではないなどという批判は控えています。


<拉致問題>

【記者】拉致問題について伺います。きのうも同じ質問が出て恐縮ですが、きょうでストックホルム合意から1年となります。進展があまり見られない現状ですけども、今後の政府の対応についてお願いします。
【官房長官】政府としてはですね、引き続いて北朝鮮側に、この日朝間の合意に基づいてですね、迅速に調査を行って、速やかに、正直に結果を我が国に通報するよう強く求めている、その立場には変わりません。
 そして、拉致問題は安倍政権にとってですね、最重要課題であります。全ての拉致被害者の帰国に向けて、対話と圧力、行動対行動、この原則を貫いてですね、解決するべく、全力で現在、尽くしているところであります。


【記者】拉致問題に関する調査報告、北朝鮮側からの通報の時期については、めどといったものを含めて、何も現在、日本政府には伝えられてないということでよろしいですか。
【官房長官】我が国としては、速やかに、正直に結果を日本に通報するように強く求めているということであります。そして、昨年5月にですね、日朝政府間協議において、北朝鮮は、拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を行うと約束をしました。そして、7月に、特別調査委員会を立ち上げて調査をしたわけでありますので、我が国としては、もう、この調査委員会からのですね、報告も速やかに、正直に日本に通報するようにと、そういうことを現在、強く求めているという状況であります。
 はい。


【記者】北朝鮮の拉致再調査に関して伺います。ストックホルム合意では、拉致再調査だけでなく、遺骨や日本人妻問題など並行調査で合意していたのに対して、日本側は拉致最優先との立場です。この双方の認識の違いが結果報告の遅れにつながっているとお考えでしょうか。

【官房長官】政府としてはですね、この日朝間の協議等の機会に拉致問題が最重要課題である、このことを北朝鮮側に対してですね、繰り返し伝えてきております。拉致問題最重要課題という我が国の立場というのは、これ、一貫して今日までですね、それぞれの交渉の中で我がほうから先方に話してますので、北朝鮮側もそこは十分承知してるというふうに思います。
 そして、さらに平壌に、まで出向いてですね、そこも最高権力者に伝わるように政府としては行ってきてる、そういうことです。

交渉担当の岸田外相は29日の会見でもう話しています。

<拉致問題、北朝鮮からの回答>

【記者】はい。よろしくお願いいたします。
 ストックホルム合意からの発表からですね、ちょうど1年がたちます。で、また北朝鮮側からですね、何ら実効性のある回答というのがなされていない中で、今後7月4日なのか、1年をめどということなんですけども、それに向けて、日本政府として今後新たに何かできる措置というのはありますでしょうか。また、どういうことを北朝鮮側に求めていきたいでしょうか。
【外相】今後の具体的な日程については、今、何も決まったものはありません。日朝合意を、日朝合意に従って、この、速やかに調査を行い、迅速かつ正直に調査結果を通報するべく求めていく我が国の立場は変わってはおりません。
 そして、今後についてですが、北朝鮮から前向きな、具体的な態度を引き出すためには何が効果的なのか、こうした観点からの検討は引き続き、続けていかなければならないと思っています。
 以上です。

<1年をめど、の起点>

【記者】昨日ですね、菅長官が、1年のめどという区切りをですね、9月ともとれる発言はされていたんですけれども、確認なんですけど、大臣、1年をめどというのは、大臣、起点はいつだというふうにお考えですか。
【外相】えーとですね、調査が始まったのは昨年7月です。そして、昨年の9月に北朝鮮側から1年、1年をめどに調査を行う、行いたい、そういった発言があったということも事実であります。そういった事実は承知はしていますが、具体的な期限についていつまでとかいうことについては、何も決まってはおりません。
【記者】いわゆる認識として、めどという、1年めどというのは、7月4日起点なのか、その9月の時点なのかというのははっきりはしていないということですか。
【外相】今、申し上げた点だけは確認できています。

要するに一年は単にめどだと、後退を始めています。
早く出せといいながら、調査の期限は決めていないという。

このちぐはぐさを見ても、今後報告をできるだけ先延ばしにしようという意図が見えます。

現在安倍政権は安保法制の国会審議で、野党に追及されています。こんな中で中途半端な調査結果を受け取れるはずがありません。北朝鮮側も、まだまだやる気があるようです。双方の思惑が一致して、先延ばしになるのは間違いないでしょう。

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