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2015年11月3日火曜日

慰安婦問題 私的まとめ

 
出典やリンクもおいおい追加していきます。前半はある講演会の内容を下敷きにしています。

・日本では1950年代にすでに金達寿が 「玄界灘」 で慰安婦の問題を書いていた。 日本では慰安婦問題は研究されて来なかった。
韓国でも研究はなく、人々は触れたがらなかった。存在は知られていたがはっきり分からない状態が続いた。

・ 韓国では1987 年の韓国の民主革命以降、 女性たちが慰安婦問題をと り あげて語り始めることになった。 90年、 ハンギョレ新聞に梨花女子大教授の尹貞玉さんが連載を書いたのが最初だった。その中に、後に架空の内容だと分かる「吉田証言」が含まれていた。韓国で「挺身隊問題対策協議会」が発足し、元慰安婦の人たちの証言が出始めた。

・  金学順さんが 1991年に名乗り出た。日韓両国政府に衝撃を与え、当時の宮沢内閣は真相究明に動くことになった。

・ そのあと、 吉見義明さんが防衛庁の防衛研究所で資料を発見した。 その時にはすでに日本政府はそれらの資料をすべて獲得していた。 だから吉見さんの発見が伝えられると日本政府は直ちに反応して、 加藤紘一官房長官談話を出した。

・慰安所という ものは軍がつくったもので、 軍の要請で女性たちが集められたということを前提としていた。

・「アジア女性基金」は1993年の宮沢内閣における「河野談話」にもとづいてつくられた。河野官房長官談話が基本にしたのが、外政審議室がまとめた「いわゆる従軍慰安婦問題について」という文書だった。
 自社さ連立政権の村山内閣になり官房長官に五十嵐広三氏が就任した。 彼は社会党の戦後補償問題の担当者だった。  しかし 「補償問題は解決済み」  という日本政府の前提があり、動けなかった。
 そんななかで、「基金構想」が生まれ、国民からの募金で被害者に償いをする方式が固まった。

・この基金のコンセプトに 被害者団体が猛反発した。まず謝罪が必要だと求めた。 「償い金」の性格も問題となった。政府は罪の償いという意味を込め、英訳で「atonement」を付けた。 これは宗教的な言葉で、「贖罪」 となる。フィリピンなど英語圏では通じた。 
 韓国語、 中国語では訳し分けられず、 ともに 「補償」 になってしまい、意図が伝わらなかった。


・ もうひとつの問題は、 「償い金」の中身だった。政府はお金を入れないと宣言し、1人300万円と決まったが募金が足りず、政府のお金を密かに加えて200万円にした。 韓国では受け取った人は60人、台湾では13人。  3分の1以下の人しか受け取っていない。
 フィリピンとオランダでは成果を挙げた。まだ未解決のまま「アジア女性基金」 は2007年に解散した。
 
・  2011 年8月、 韓国の憲法裁判所から韓国政府に 「解決に向けた努力をしないのは憲法違反」  という判決が出て李明博政権が慰安婦問題の解決を強く主張するようになった。 民主党政権の野田政権が水面下で動いた。
 ①総理大臣が日韓首脳会談で謝罪する、②政府の資金で謝罪の気持ちを表す(謝罪金の)支払いを行う。 これは大使が行う、③第三次日韓歴史共同研究委員会を立ち上げ、そのなかに慰安婦問題小委員会を設ける、 ④これらを日韓首脳会談で解決を図る、 ということで基本的に合意した。
 しかし、 野田首相は斉藤氏の報告に、 この案の受け入れに踏み切れなかった。

・昨年5月末、 第12回の 「日本軍『慰安婦』 問題アジア連帯会議」 が東京でひらかれた。この連帯会議は 「挺対協」 が開催してきたものだ。 長時間の討論の末 「日本政府への提言―日本軍『慰安婦』問題解決のために」が6月1日に採択された。

・そこではまず、被害者が受け入れられる解決案でなければ解決にならないとされている。そして 「解決」  とは、 被害者が受け入れられる解決策が示されたときにはじめて、 その第一歩を踏み出すことができるとしている。現在の朴槿恵大統領も、基本的にこの考え方を取っている。

・挺対協はさらに「次のような事実と責任を認めること」  として4項目を挙げている。 ①日本政府および軍が軍の施設として「慰安所」を立案・設置し管理・統制したこと、②女性たちが本人たちの意に反して「慰安婦・性奴隷」にされ「慰安所」において強制的な状況の下におかれたこと、 としている。 「河野談話」を踏まえ、さらに責任を認めよとい うものだ。この「責任」は、「法的責任」とはややちがい、道義的責任に近い。

・しかし、河野談話については安倍政権では批判的な見方が強く、作成過程の見直しも行っている。

・具体的解決策としては、自民党の河村建夫議員が以下の提言をしている。

 アジア女性基金が2007年に解散した後、外務省が続けている「フォローアップ事業」の拡充。同事業はこれまで8年間で約9千万円をかけ、韓国など4カ国で実施。韓国ではNPOの協力を得て元慰安婦十数人に医薬品や現金を届ける訪問ケアをしている。河村氏は「首相も(拡充など)やれることを考えていると思う」と述べた。

・2015年11月の日韓首脳会談では、冒頭
 「私は50周年である今年、両国が過去の歴史を克服して、未来に向かって共に出発する転換点をつくらなければならないと強調してきました」(韓国 朴槿恵大統領)

 「未来志向の日韓関係の新たな時代を築くべく、朴槿恵大統領と努力していきたいと思います」(安倍首相)

というやりとりがあった。

 会談後の会見で安倍首相は、「慰安婦問題については、未来志向の協力関係を構築していくうえにおいて、将来世代に障害を残すことがあってはならない。できるだけ早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致しました」と話した。

 安倍総理大臣は、2日夜、民放のBSの番組で、いわゆる従軍慰安婦の問題について、「大切なことは、お互いに合意すればそのあとは問題を再び提議しないということだ」「今までは、障害があるからということで、首脳会談の成立自体が難しかったが、今までの状態は大きく変わり、トップレベルで話し合いができないという状況ではなくなった」

  従軍慰安婦の問題について、「現実に日韓の間の障害になっているのは事実だ。日本の基本的立場は変わらず、お互いの国民が完全に納得できることは難しいが、交渉を続けるなかで、一致点を見いだすこともできる」と述べ、日本側の基本的立場に変化がないと強調した。

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