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2016年7月29日金曜日

サードで北朝鮮のミサイルは迎撃できない。統一日報

 

かなり専門的な論文だが、訳してみた。完璧な技術ではないというのは確かだろう。

http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=117514


▲韓米当局が去る8日韓国にサードを配置すると公表した後、13日星州を配置地域で発表して、荒々しい批判が起きている。

北朝鮮はもちろん中国とロシアまでサードを打撃できる軍事的措置を取ると脅しをかけている。
星州郡民らの阻止闘争も荒い。

サード韓国配置は朴槿恵政権が国家と民族の運命を担保にした危険千万な賭けを始めたことで、すでに国家安保に濃厚な暗雲を垂らしている。

韓米当局はサード配置の名分で北朝鮮の核ミサイル威嚇から韓国民と韓米同盟軍を守ることができるという主張を打ち出している。

またサード配置を囲んだ大部分の論争らもサードで北朝鮮の核ミサイルを防げるという前提の下形成されている。
サード配置に反対する論者らまで例外でない。

このようにサードの軍事的効用性を前提とした論争の結末は明らかだ。
サード配置を容認しながら、単純に手続き上の問題や電磁波有害性問題を考えると、論点が会って来る。

しかしサード配置問題は一次的にサードが北朝鮮の核ミサイルを防御するのに軍事的効用性があるのか、したがって国家安保に果たして役に立つかを糾明するのにその本質がある。
結論から話せば買う北朝鮮の核ミサイルを防ぐことができなくて、国家安保に全く役に立たない。
その理由を一つ一つ調べよう。

最初に朝鮮半島の地形的特性のためだ。

朝鮮半島は南北間距離が短くて、北朝鮮の短距離弾道ミサイルが2~5分ならば韓国に到達する反面山岳地形が70%に達して、これを早期に探知するのが難しい。

したがって北朝鮮の弾道ミサイルは迎撃がまったく不可能だったりほとんど不可能だ。
韓国国防研究院と米国ミサイル防御国も1年6ヶ月位の共同研究あげく“韓半島でPAC-3は実効性がないことでシミュレーションを通して明らかになった”(明日新聞、2012.10.25)と発表したことがある。

二番目、サードの迎撃を避けられる回避行動が可能なためだ。
▲サード運用体系.

北朝鮮の弾道ミサイルはサードの迎撃を避けて、韓国を打撃することができる。
いわゆる回避行動だ。
KN-02は交差点が120~160kmで頂点高度がまったくサードの迎撃高度の下で形成されて、サードで迎撃できない。
交差点300kmのスカッドBや交差点500kmのスカッドCも発射地点を低くするか高くする方法で弾道ミサイルの頂点高度と交差点を調整することによってサードの迎撃高度や交差点を避けられる。

燃料量を減らすCut-off方式でも交差点と頂点高度を減らせる。

サードの軍事的効用性を立証して最適の配置地域(?)を明らかにするためにシミュレーションを実施した張ヨングン航空隊教授はシミュレーションの前提にノドンミサイルの“(労働)ミサイルの回避行動は考慮しなかった”と明らかにしている(「朝鮮半島戦場(全長)環境でサードの軍事的効用性分析、2016.2.11).

これはノドンミサイルがみな弾頭を装着したり回避行動をすれば迎撃が事実上不可能だということを言っている。

米国国防部の議会報告書(1999年)や韓国国防部内部文書(2013年)もサードで少なくとも韓国の首都圏は防御できないということを認めている。

たとえサードの軍事的効用性が首都圏南で限定されるといっても韓国人口の半分が住んでいて、韓国軍の70%以上が前進配置されている首都圏を防御できないならばサード韓国配置はその意味をほとんど喪失すると見られる。

しかしスカッドB、Cやノドンミサイル‐北朝鮮がノドンミサイルで韓国を攻撃する可能性は作戦上非常に低いが-は回避行動でサードの迎撃を避けて、首都圏南も打撃することができる。

特に北朝鮮が何年内に実戦配置すると見られる潜水艦発射弾道ミサイルは回避行動を効果的に展開できて、潜水艦で発射される弾道ミサイルの発射地点と軌道を探知、追跡するのが難しくて、迎撃が一層不可能だ。

第三、弾道ミサイルの飛行特性のためだ。

北朝鮮が韓国を攻撃するのに主に使う短距離弾道ミサイルは発射後大気圏で進入して、地上で落下する時、空気の密度が高い空間(地上から約70km以下高度)で空気抵抗を受けて、トンボ返りを回ったり螺旋形回転をするようになるのに、現在のミサイル防御技術ではこういう不規則的な落下運動をする弾道ミサイルを迎撃できない。

米国科学者連盟は米国が湾岸戦争(1991年)でイラクが発射した約80発の弾道ミサイル中44度の迎撃を試みて、ただ一歩も迎撃できなかったと明らかにしている(FAS、「Upsetting the Reset:The Technical Basis of Russian Concern Over NATO Missile Defense」、2011.9).

これはクリントン大統領の時コアン国防長官も確認した事実だ(Lewis and Postol、「How US strategic antimissile could be made to work」、2010.11).

これは攻撃弾道ミサイルの迎撃に成功しても弾頭が残る迎撃ミサイルの爆発型弾頭の限界なども一原因だが、弾道ミサイルの不規則的な落下運動が主要因だ。

契約業者のレイシオンは、湾岸戦争以前試験発射で17度試みに17度皆迎撃に成功したと主張したが実戦で結果は正反対であった。
これは迎撃ミサイル弾頭の赤外線センサー機能が改良されてHit-to-Kill迎撃方式が導入されるなど迎撃ミサイルの性能が一層向上した現在も相変らず克服できなくなっている問題だ。

中距離弾道ミサイルのノドンミサイルも落下する時、弾頭と本体が分離せず、大気圏でトンボ返りを回ったり螺旋形飛行をする。

したがって韓国を狙ったノドンミサイルも迎撃できない。

第四、にせ物弾頭と弾道ミサイルからだ破片を識別できないためだ。

これに北朝鮮のノドンミサイルがトンボ返りを回ったり螺旋形回転をしない100km高度内外で、すなわち空気がない外大気圏や空気密度が低い大気圏で迎撃を試みれば成功することができるという主張が提起されている。
これは韓米当局がサード配置名分で打ち出す主張でもある。

しかしこの時も北朝鮮がノドンミサイルの上昇段階でデコイ(Decoy、にせ物弾頭)を展開させたり燃料燃焼が終了した後にノドンミサイルからだを爆発させれば本当の弾頭とにせ物弾頭、または弾頭とからだ破片が入り乱れて飛んでくるようになって防御する側が弾頭を識別できないことによって迎撃に失敗するようになる。

米国のMD専門家ポストル教授はさる2月<一つの民族>に寄稿した文でノドンミサイルの本体を爆発させるのはやさしい技術であり、空気密度が高い70kmの高度に達して空気抵抗にともなう下降の中も差で弾頭とデコイまたは弾頭と破片を区別できるようになるが、この高度で迎撃ミサイルを発射すれば弾頭がすでにサードの最低迎撃高度(40km)の下に降りてくるようになって迎撃が不可能になると明らかにしたことがある。

スカッドのような短距離弾道ミサイルは人工的に爆発させなくても下降しながら、落下方向と違った方向でタンブリングをしながらパトリオット迎撃高度(20km)の上、下で空気抵抗で自然破壊されて、破片を作り出すことによって迎撃が不可能なこともある(Lewis and Postol、前文).

迎撃ミサイルが弾頭に装着された赤外線センサーの性能限界などで終末段階で迎撃が難しいということはエシュトンカーター現米国防長官も認めた事実だ(ポストル教授、一つの民族、2016.2.26).

五つ目、同時に大量で弾道ミサイルを発射する場合にも迎撃が不可能だ。
北朝鮮は弾道ミサイル発射台を100基以上,資料によってはノドンミサイルだけ50余基以上の発射台を保有していると知られている。

したがって北朝鮮が数十余基の弾道ミサイルで韓国を同時に攻撃すれば如何に多くのサードとパトリオット迎撃ミサイルを配置するといっても迎撃が不可能だ。
そのうちに核弾頭が何発だけ含まれていても韓国のすべての地域が核攻撃を受けるようになる。
それでも国防部はサード配置決定事実を発表しながら、サード1ケ砲台で韓国領土の1/2で2/3を防御することができると主張した。
しかしこの主張はとんでもない。
北朝鮮が現在の固定発射台で単にいくつかの発議弾道ミサイルで攻撃した場合を仮定した上にサードの交差点と諸々な原因に合わせて、単純計算した結果だけのことだ.
▲朴槿恵大統領が駐在する国家安全保障会議(NSC)が21日大統領府で開催された。
[写真出処-大統領府]
国防部も記者らの反論に北朝鮮が弾道ミサイルを現在の発射基地で発射した時、可能な防御範囲と退いたことがある(SBS、2016.2.25).

これは北朝鮮が移動発射台を利用して、同時に大量攻撃をする場合にはサードで防御できる面積が幾何級数的に減るということを意味する。

しかし北朝鮮の弾道ミサイルが回避行動をしたり終末段階でトンボ返りを回ったり螺旋形飛行をして、弾頭がにせ物弾頭や破片と共に飛んでくるなど迎撃を不可能にという要因らを考慮すればサードの防御範囲論議はそれこそつまらないことに過ぎない。

このように韓国を狙った北朝鮮弾道ミサイルは迎撃を不可能にさせる色々な要因らを抱いている。

その中あるある要因を克服しても他の要因によって、迎撃が不可能になる。

近い将来にMDがこのような問題点らを解決する可能性も大きくない。

オーディオノ米陸軍参謀総長とナット海軍参謀総長は2014年11月5日、当時の米国防長官に“現在米国のミサイル防御体系と戦略は過度に費用が多くかかるのに比べて、効用性が疑われるなど各種問題点らを抱いている”として全面再評価を要請する共同メモ(‘弾道ミサイル防御戦略の調整’)を送ったことがある。

彼らは代案で先制攻撃などを提示したという点で問題が大きいがMDを開発、運用してきた米軍首脳部が耐えられない財政問題と一緒にMDの非効用性問題を率直に認めたという点で意味がとても大きい。

迎撃できる時間余裕が多くて弾道ミサイルの飛行変化も殆どない中間段階中心の米国本土防御は迎撃できる時間的余裕が殆どなくて弾道ミサイルの飛行も変化の激しい終末段階中心の韓国防御より相対的にさらに容易だ。

それでも米軍首脳部はミサイル防御の効用性を疑いながら、全面再検討を要求しているのだ。
まして米本土より弾道ミサイルに対する防御がはるかに難しい韓半島でミサイル防御網を構築して、北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃するという考えは妄想に近い。

サードで北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃できない。

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