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2016年8月28日日曜日

北朝鮮は本当に動揺しているのか


韓国大統領は、どこの国の指導者よりも北朝鮮に関する豊富な情報を持っている。
国家情報院が世界からもたらす情報に加え、脱北者による、北朝鮮に関する最新の状況も伝えられているはずだ。アメリカや日本からの協力もある程度得ているだろう。文責 筆者

その韓国の朴槿恵大統領が、8月に入って北朝鮮について「体制動揺の可能性が大きくなっている」「北朝鮮の挑発の可能性が、いまだになく高い」と公の場で繰り返し話している。

もちろん、政治的な臭いもする。
これまで中国重視、日本批判という基本的な外交路線を転換させるため、意識的に北朝鮮の脅威を大きく見せている部分もあるだろう。また青瓦台幹部への検察の捜査も影響しているとも言われている。

それでも、朴大統領の発言は、確信に満ちているし、その確信度が上がりつつある。

朴大統領の北朝鮮体制と関連した発言のレベルが高まったのは、北朝鮮が4回目の核実験を行った直後の2月からだ。


「北朝鮮政権が核開発では生存できず、むしろ体制崩壊を催促するだけという事実を骨に凍みるほど悟らなければならない」と、体制崩壊という強い表現を使った。


さらに北朝鮮政権が「ブレーキなしで暴走している」「極限の恐怖政治で政権を維持している」と批判もしている。

8月15日に行われた光復節(独立記念日)での祝辞で朴大統領は、北朝鮮の在英国大使館に勤務していた公使の韓国亡命を念頭に以下のように発言した。

「韓半島統一が北朝鮮当局の幹部と住民皆に、差別と不利益なしで幸福を追求できる新しい機会を提供する」。


さらに、「新しい朝鮮半島統一時代を開くため」として3条件を提示した。

最初は「核兵器をはじめとする大量殺傷武器開発と対南挑発威嚇を直ちに中断」することだ。
2つ目は人権問題だった。「(北朝鮮は)今でも人類の普遍価値を尊重して、国際的義務と規範を遵守する正常な国際社会の一員になることを望む」だった。住民たちの基本的人権と最小限の人間の生活を営む権利を尊重しろということだろう。

3つめは北朝鮮が韓国社会に対して「混乱と葛藤を引き起こそうとする、時代錯誤的な統一戦線次元の試みを止めることを望む」とした。

演説中、日本についての言及は1回だったが、北朝鮮には11度も言及して南北関係を重視していることを示した。

さらに朴大統領は22日、大統領府で乙支国家安全保障会議を主催し、さらに踏み込んだ。

「北朝鮮の主要人物まで脱出と外国での亡命が続くなど深刻な亀裂兆しが見られ、体制動揺の可能性が大きくなっている」と述べたのだ。韓国大統領が北朝鮮の体制安全性に対して直接評価したことは「異例」(韓国メディア)だ。

 まら「北朝鮮の挑発の可能性がそのどの時より高く、北朝鮮の核とミサイルは直接的で現実的な威嚇であるだけにこれに対応する私たちの訓練も北朝鮮の挑発に備えた実戦のような訓練にならなければならない」と語っている。

 南北政策を統括する韓国統一省のスポークスマンも26日の定例会見で、大統領の見方と同じ見解を示している。
チョン・ジュンヌィ統一部スポークスマンはこの日定例会見で連鎖北脱出の原因について「金 恩時代以後変化過程で、さまざまな恐怖政治が行われ、北朝鮮内部の不安定性が強まっている」と指摘している。

ただ、専門家の中には、これらの指摘ほど北朝鮮内部は動揺していないという見方もある。

むしろ韓国側が、自分たちの政権の求心力を高めるために、北朝鮮を利用している部分もあると、私は判断している。

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