2019年2月26日火曜日

金正恩朝鮮労働党委員長が列車でハノイに向かった4つの理由

27,28日に開かれる米朝首脳会談に出席するため金正恩朝鮮労働党委員長が、専用の電車でベトナムに向かった。
飛行機で行けばいいのにわざわざ4500キロを3日近い時間をかけて行くのはなぜなのか。そこに何かあるのではないかと世界の関心が集まっている。

関連の報道を読むとその理由は少なくとも4つある。

最初は、正恩氏の祖父、父とも外国を専用列車で訪問している。金日成氏の場合は、ベトナムを列車と飛行機を組み合わせて訪問し、ホーチミン氏と会談している。

1958年に初めて訪越した際のことで、北京から広州まで列車で移動し、その後飛行機でハノイ入りした。

それにならい、自分は金ファミリーの一員だと北朝鮮国内にアピールし、自分の権威付けにしているというものだ。一定の説得力があり、多くのメディアがこの説を採っている。

2番目は身辺安全のためという説。専用列車は防弾仕様になっている。少なくとも墜落の危険がある飛行機よりは安全と言える。

父の金正日総書記は、11年8月のモスクワ訪問時にも約1週間列車にのり、シベリアを経由している。飛行機が嫌いだったという。

ただ、正恩氏はたびたび飛行機や軍用機に乗っており、今回も安全第一で列車を選んだというのはやや根拠が薄い気がする。

3番目は、中国を延々と経由してハノイに行くのは、中国という大国が自分のバックにいるのだということを内外に示す狙いだというものだ。

専用列車は、行く先々で中国側から特別に警備される。私が過去に中国で専用列車を見た時、中国の武装警察が線路沿いにびっしりと並んでいた。

中国との強い結びつきを示したいのではないかというものだが、これも少し弱い。というのは今回のハノイ訪問では、その途中で中国の高官は正恩氏と会っていない。過去の例からみて帰国の途中で会う可能性は高いが、中国の威を借りる説は不自然さもある。そもそも中国は、米国と貿易摩擦の真っ最中で、刺激するような行動を取りたくないはずだ。

逆に中国に対して、「友好国なのだから、しっかり警備しろ」という当てつけの意味があるかもしれない。

4つめは国内が安定しているということを示すという見方。全て列車で往復するとすれば、1週間ほど北朝鮮を空けることになる。

自分が不在な間も、国内は安定しているということを内外に誇示するため、わざわざ電車に乗ったのだろうか。過去の例では、金日成氏が海外訪問中にクーデターが計画されたことがある。国内の完璧な掌握は簡単ではない。

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