最近発売された本。北朝鮮の庶民生活に焦点を当てている労作だ。値段が張るのはしかたないか。
脱北者の手記を翻訳しているので、内容は金正日時代が中心である。
その中で朝鮮人民軍の盗みについてこんな記述がある。
人民軍兵士による盗み、
略奪および強盗行為もあちこちで見られる。
一九八○年代までの人民軍兵士による盗賊形態は、飢餓を遁れるための脱営軍人たちによる個別行動が大部分だったが、一九九○年代に入ると、人民軍の服務生活自体が盗賊や強盗に変わった。一般住民たちが飢えを避けるための盗みであったとすれば、人民軍は生活自体が組織的で習慣的な生活型盗賊に変わった。住民の財産を盗み略奪して食べて使うという生活気風が習慣化しているのである。良心の呵責も無い。住民たちがこれに対決できないいわゆる「キム·イルソンの軍隊」、「将軍様の戦士」という名を盾に公然と合法的な盗賊を行なうのである。
·体制が崩壊すればキム父子の財産が真っ先に略奪対象となる
キム·イルソンの銅像だけでも全国で三万五000余に達する。これに用いられる素材も高価な材料である。また、キム父子の「革命歴史研究室」は道、市、軍、職場、学校、公共機関、協同農場、企業所に数多く設置されている。そのカーテンは北朝鮮女性の下着数百着を作ることのできる高級生地である。その下着一つは買えば一五0-二00ウォンもする。七月一日の改善措置以前の労働者の二、三カ月の給与に当たる。
420p
金親子の銅像が壊されたり、盗まれるような事態になれば、体制が揺らいでいるということなのだろう。
しかし、一方で住民への徹底した監視システムもあるので、そう簡単ではない。
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